[東京 25日 ロイター] - 内閣府は25日開催された政府の経済財政諮問会議に、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB)の今後の見通しを提出した。

税収の伸び悩みなどを背景に、2020年度の赤字幅は前回昨年7月試算から8.3兆円に拡大。18年度の目安「GDP比1%の赤字」も10%への消費増税延期の影響を踏まえるとして、事実上撤回する方向をにじませた。前回盛り込まれていた「20年度黒字化実現」の記述は「財政再建目標」に置き換えられた。

内閣府が提出したのは、年2回行う「中長期の経済財政に関する試算」。今回は2025年度までの見通しを示した。中長期的に実質2%・名目3%以上という高い成長率を前提とした「経済再生ケース」と、実質1%弱、名目1%半ば程度を前提にした「ベースラインケース」の両方で試算している。

20年度については、昨年7月の前回試算における「経済再生ケース」では、赤字幅は5.5兆円程度の見通しだったが、今回8.3兆円程度に拡大。「ベースラインケース」では前回の9.2兆円程度から11.3兆円程度に拡大となった。

また18年度については、「経済・財政再生計画」において「中間評価」を行い、PB赤字の対GDP比1%程度を目安とすることとされてきたが、今回はこれについて、「消費税率の再引き上げを19年10月に延期するとされたことから、中間評価にあたっては、こうした影響を踏まえる必要がある」との説明をつけ、消費増税を前提としていた目安を見直すことをにじませた。

単年度における基礎的財政収支が悪化しても、「経済再生ケース」において公債等残高の対GDP比率は17年度から25年度にかけて低下していく。日銀のイールドカーブコントロールにより利払い費が削減されるため、国債費の増加ペースが緩やかになることなどが背景とみられる。

しかし、23年度以降は長期金利が名目GDP成長率を上回り、低金利で発行した既発債のより高い金利による借り換えが進んでいくため「留意が必要」だとしており、いずれまた公債等残高の比率は上昇傾向に転じていく可能性がありそうだ。

(中川泉 編集:田中志保)