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急反発の日本株に「不安の種」、日電産など好決算に渋い反応

2017年1月25日

[東京 25日 ロイター] - 25日に急反発をみせた日本株だが、「不安の種」がある。決算発表の先陣を切った安川電機<6506.T>と日本電産<6594.T>の株価が、通期予想の上方修正にもかかわらず、発表翌日に下落したからだ。

材料出尽くしで利益確定売りが出た可能性もあるが、市場予想を上回った業績へのポジティブな反応は乏しかった。米トランプ新政権のドル高けん制に警戒感が募るなか、円安による業績上振れと株高のシナリオに不透明感が漂っている。

<株価下落に驚き>

 「え、売られているんですか」──。25日の東京株式市場では、日本電産が一時3%を超す下げとなった。同社は前日に通期の利益予想を上方修正、自社株買いも発表していた。株高を見込んでいた国内運用会社ストラテジストには、意外な市場の反応となった。

23日の引け後に業績予想の上方修正を発表した安川電機も、翌24日に一時5%安となった。通期の営業利益予想は310億円(前年比15.6%減)と、市場予想の285億円を上回っていたが、直後の市場反応は売りだった。

年始から決算発表前までの2社の株価はともに7.6%の上昇。日経平均<.N225>がマイナス圏にあったなかでの好パフォーマンスであり、市場では「いったんの材料出尽くしと受け止めた利益確定売りが出た」(国内証券)との声も少なくない。

しかし、ともに市場予想を上回る上方修正であったにもかかわらず、株価の初期反応はプラスとならなかった。決算発表の先陣を切ることが多い安川電機と日本電産の株価が、好決算に対しても慎重な反応となったことで、全体相場への警戒感がじわりと広がっている。

<115円なら警戒感>

17年1─3月期の想定為替レートは、安川電機が1ドル115円。日本電産が110円。為替予約などの方法もあり、一概には言えないが、ドル/円が115円を下回って推移すれば、安川電機の第4・四半期には、為替が利益押し下げ要因として作用する可能性が出てくる。

25日の為替市場で、ドル/円<JPY=>は反発したものの、113円台にとどまった。米新政権による減税やインフラ投資で米経済が回復、米金利上昇を背景にドル高が進行するというのが「トランプ相場」のメーンシナリオだ。しかし、政権中枢からドル高けん制とも受け止められる発言も見られ始めてきた。

丸三証券・投資情報部長の牛尾貴氏は、「企業の想定レートは1ドル110円が中心とみられていたが、トランプ米新政権によるドル高けん制の動きが警戒される中、1ドル115円を想定レートとする輸出企業が増えれば、一段の業績上振れ期待が萎んでしまう」と話す。

<来期業績に慎重論も>

もっとも、安川電機が決算を発表した23日以降、日経平均は2日間で約166円高となっており、2社の株価反応が投資家心理を冷やしているわけではない。24日に売られた安川電機も翌25日に買い戻しが入り、決算発表前の株価水準を上回った。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン取締役の寺尾和之氏は「(為替を除いた)本業の部分の見通しが保守的かどうかも重要なファクターだ」と指摘。想定レートよりも実勢レートが円高にあったとしても、本業に力強いモメンタムのある企業は評価される余地があるとみる。

ただ、年始に1180円台にあった日経平均の予想1株利益は、24日時点では1166円まで低下。一方、予想株価収益率は16倍台で高止まりしており、割安感はもはや乏しい。円安による増益シナリオを期待先行で織り込んできただけに、期待に届かない上方修正であれば、株価の反応は冷ややかになりそうだ。

ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏は、1ドル113─114円の水準を維持できれば、輸出企業の今期の業績はもう一段の上振れが期待できるとする一方、115円程度で円安が止まる限り、日経平均の2万円回復は厳しいと分析。

 「今期の業績が改善する分、来期の発射台は上がる。世界的な景気回復基調で数量増は見込めるが、トランプ政権の出方が不透明であり、増益となってもせいぜい5%程度だろう」と話している。

(長田善行 編集:伊賀大記)

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