委託先の業務内容を
定期的にしっかりと
点検するべき

 マイナンバーの管理および取扱いをめぐっては、代行業者に業務を委託した結果、紛失や消失、誤った使用などのトラブルを招くケースも想定される。

 個人情報保護委員会が作成した「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」(マイナンバーガイドライン)の事業者編には、民間企業などがマイナンバーの管理業務を外部に委託する場合、「委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない」と書かれている。

 其田氏は、「『外部の業者に委託しているから、マイナンバーのことはよくわからない』といった対応をすると、トラブルを招く原因となりかねません。ガイドラインにも、①委託先の適切な選定、②委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結、③委託先における特定個人情報の取扱状況の把握という必要かつ適切な3つの取り組みが盛り込まれていますが、不要なトラブルをなくすためには、委託先に管理を任せっぱなしにするのではなく、委託した業務内容を定期的にしっかり点検することが大切だと思います」とアドバイスする。

 マイナンバーの取得や管理業務を代行する企業に委託する場合でも、委託元の事業者は管理責任を免れないということをもう一度認識すべきだろう。そのためには、マイナンバーの役割と用途を改めて周知徹底するとともに、代行する企業に対してもその体制がきちんとしているかを把握する必要がある。任せっぱなしではいけないのだ。