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長寿企業の秘密

どうすれば100年生き抜く長寿企業になれるのか?

松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]
【最終回】 2017年1月31日
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 本連載では、日本を代表する長寿企業のトップ4人――、ネスレ日本の高岡浩三社長JT(日本たばこ産業)の新貝康司副社長コマツの野路國夫会長富士フイルムHDの古森重隆会長を迎え、「時間軸の捉え方」「市場とのつながり」「組織の作り方」という3つの観点から問いを重ね、「長寿企業の秘訣」を探ってきた。

 最終回では、これまでの対談の中から長寿企業の秘訣を解き明かしていく。

 結論から先に述べると、長寿企業の秘訣とは以下の通りだ。

(1)時間軸の捉え方:10年先の長期的な時間軸を持つ

 長期的な時間軸を持つということは共通しつつも、その時間軸に込めた想いやその背景にあるものは四社四様の特徴があった。

●予測ではなく「意志」を持ち、未来に数字を刻む
 ネスレ日本の高岡浩三社長は「10年先にどうしたいか」という「意志」を持つこと、ゴールを定量的に数字で示すことが重要だと指摘する。製品ライフサイクルが短くなり、将来の見通しができない時代になっているからこそ、予測ではなく、確固たる「意志」を持つべきである。また、意志を持つだけでなく、「具体的に目指すべきゴール」を定量的な数字で示すことで、将来像の解像度を上げ、ゴールに向かってより早く前進することができる。

●過去の歴史を学ぶことで未来の洞察を得る
 コマツの野路國夫会長は、「コアビジネスが今後も全世界で成長する産業か」という視点で少なくとも10年、20年先を常に見ている。また、コマツで非常に特徴的なこととしては、戦略を立てる時には過去50年の歴史を振り返るということである。過去の歴史を見ることで、これからもコマツの歴史の中で変わらずに大事にすべきことと、変わっていくべきこととを見極め、当時の状況や判断を考えた上で、未来に向かって意思決定をする。

●社会的な存在意義から自社の方向性を描く
 JTの新貝康司副社長は事業の足元を見る時は10年先の未来を考え、会社全体を考える時は30年先の未来を見据えている。30年後の世界を思い描きながら、自社の社会的な存在意義を再定義する。単に考えるだけでなく、JTでは「将来、人間はどう生きるか」という分野へのリサーチにも投資をしている。このように未来に思いを馳せることと、将来のトレンド把握に対して投資すること、この両面を同時に行っていく必要がある。

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松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]

デロイト トーマツ コンサルティング パートナー Strategy&Operationsリーダー。中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授(「実践・変革マネジメント論」)、事業構想大学院大学客員教授。「経営変革」に関わる戦略・組織領域のテーマ(成長戦略、M&A、イノベーション、グローバル組織再編)などを多数展開。主な著書に『自己変革の経営戦略 - 成長を持続させる3つの連鎖』『ポストM&A成功戦略』、共著に『クロスボーダーM&A成功戦略』(いずれもダイヤモンド社)など。

 


長寿企業の秘密

数多くの経営改革支援を手掛けてきたデロイト トーマツ コンサルティング パートナーの松江英夫が長期の経営ビジョンを持ち、時代の変化に対応しながら成長し続けてきた企業のトップに直撃、"長寿を可能にする経営の秘訣"を探る。長寿を実現するポイントとして経営戦略上の「時間軸の捉え方」「市場の変化への対応力」「組織の作り方」に注目し、この3点に対する考え方と実際に行なわれてきた経営について掘り下げる。

「長寿企業の秘密」

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