病院費用だけでなく交通費や
医薬品購入もカウントされる!

 また、病院に支払った医療費の自己負担分だけではなく、病院までの交通費、ドラッグストアなどで購入した頭痛薬や胃薬なども「医療費」として認められます。申告には支払った証拠が必要なので、ふだんから医療費関係の領収書やレシートは一まとめにして管理しておくと、いざという時にあわてません。患者さんの中に、治療の内容と体調を書くと同時にその日使った医療費のレシートを貼った「がん日記」を作っている人がいました。領収書やレシートをなくさない工夫としてこれは上手な方法だなと感心したことがあります。

 どこまでが医療費の範囲かの線引きは難しいのですが、原則的に「治療目的や医師の指示で使ったもの」は認められますが、「個人の希望や予防目的で使ったもの」は認められないと覚えておくといいでしょう。
 医療費控除は、家族の中で誰が申告してもいいので、収入が高く、所得税の課税率が高い人ほど、還付金が多くなります。がんになって療養が長引くと、年間数十万円の医療費を何年も支払い続けるということもあります。社会保障だけではなく、税金の優遇策も利用して、少しでも負担を抑えるようにしましょう。

昨年1年間の医療費が<br />家族で10万円を超えたら確定申告を!<br />

 1年間でかかった家族みんなの医療費が10万円を超えたら、翌年に確定申告をすれば、税金が戻ってくる!