「5つの質問」による自問自答が行動の原動力となる

 次に、(3)の可能性に目を向ける質問ですが、これは、より詳しく言いかえるなら、「それを可能にする方法は、何だろうか?」「答えを知っている人は、どこにいるだろうか?」「どこに行けば、答えを導く情報が見つかるだろうか?」などになります。

 (1)と(2)の質問で目的が明確になれば、「問題を放置する」という選択肢は、あり得ません。

 といって「できる方法は何だ?」という回答が明確ならば、そもそも悩む必要はないわけです。

 (3)の質問をすることで「答えを探し出すためのアプローチ法」を見つけ出します。この(3)の質問を詳細にすることで、「解決方法を具体的にすること」ができるようになるのです。

 次の(4)「これは自分の将来にとってどんな意味があるだろう?」というのは、自分にとっていい意味づけをする質問です。この質問をすることで「自分が問題を解決すること」がよりリアルに感じられるようになります。

 私もガンになったとき、「これは僕にとって、どんな意味があるのだろう?」と問うことで、「闘病を成功に導くことが、自問自答によって問題を解決する実証例になる」と考えることができました。

 たとえば、上司に命じられた厄介な仕事でも、「この仕事を成功に導いて経験を積めば、もっと高いレベルの仕事ができるようになる」と考えれば、単に上司を満足させるだけでなく、より自分のスキルアップにつながるようなやり方を選べるようになります。

 同時に、仕事によって人間関係をつくったり、幅広い知識を得ることにも目が向くようになるわけです。

 最後の(5)の「今、自分がすべきことは何だろう?」は、あなたを行動に導く質問です。たとえば、「まずは、情報を探しに行こう」とか「問題に詳しい人に話を聞いてみよう」などとなりますね。

 ですから、この「5つの質問」による自問自答を繰り返すことは、自分に対して前向きな行動やアクションをとらせるスイッチになりますし、原動力にもなります。