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アングル:カジノ解禁にらみ海外運営会社が布石、依存症対策も主導

2017年1月27日

[東京 27日 ロイター] - 統合型リゾート(IR)推進法の成立を受け、海外のカジノ運営会社が続々と日本を訪れている。誘致に前向きな自治体や企業との関係強化を図り、申請に向けた準備を進めておくためだ。

カジノ解禁のカギを握る依存症対策についても当局への説明を強化している。

<世界第2の市場へ、強い意気込み>

複数の関係者は、海外のカジノ運営会社の幹部が年明け以降、「新年のあいさつも兼ねて次々と日本に来ている」と明かす。訪問先は札幌市、大阪市、長崎県佐世保市など。

米ハード・ロック・カフェ・インターナショナル、米ボイド・ゲーミング<BYD.N>など、カジノやホテルの運営でノウハウのある企業がこれらの自治体や企業を訪問し、ネットワーキングを広げている。

シンガポールが10年以上前にカジノを解禁した際、ライセンスの認可を受けたのはマレーシアのゲンティン<GENS.SI>、米ラスベガス・サンズ<LVS.N>の2社だけだった。運営会社の多くは、ラスベガスに次ぐ世界第2の市場となる可能性がある日本のカジノに、「この大きなビジネスチャンスを落とすわけには行かない」と意気込んでいる。

米MGMリゾーツ<MGM.N>も日本に熱い視線を注ぐ1社。同社はスタッフを増員し、日本に投じるリソース(経営資源)を拡大する予定だ。

<依存症対策もリード>

推進法の成立をふまえ、今年12月までに別の法案(IR実施法案)が国会に提出されることになる。カジノ導入の際、最も懸念される問題でもあるギャンブル依存症対策に焦点をあてた法案も検討される可能性がある。

海外のカジノ運営会社も、ギャンブル依存症対策の重要性を口をそろえて指摘する。ある海外運営会社の幹部は厚生労働省に出向き、運営会社が拠点とする国での依存症対策の説明を重ねているほか、同省の幹部に現地の対策センターの見学を働きかけるなど、積極的な動きを見せる。

日本ではパチンコなどを中心にギャンブル依存者の数が多いとされるが、公的な対策は後手に回り、ボランティア活動が中心となっている。

米国内でカジノを運営し、今月、都内で企業や銀行と面談したハード・ロック・カフェのアジア開発を担当するダニエル・チェン氏は、カジノ解禁にともなう「いい面、悪い面の両方について透明性のある説明をしていくべき」と話している。

<IRというコンセプト>

カジノ運営は大きく分けて、富裕層をターゲットとするメンバー制の高級カジノを高級ホテルの中などで運営するパターンと、高級ブランド品店が立ち並ぶショッピング街、ホテル、劇場などと、国際的な会議やイベントを開催できる大型のコンベンションセンターなどをまとめ(インテグレートし)て経営するパターンがある。日本で現在、検討されているのは後者だ。

 「カジノ産業はクリスマスツリーと同じ。モミの木の頂点から末端まで飾り付けがされるように関与できる企業数が多い」(金融筋)とされる。IRでノウハウのある海外の運営会社は、日本参入にあたり、日本の志向や文化、ノウハウに熟知した国内企業と複合チームを形成してプロジェクトを進めるとみられている。

このため、娯楽コンテンツ、建設、食品リテール、ホテル運営、商社、金融機関など幅広いセクターの企業がプロジェクトに関心を寄せている。

(江本恵美、トム・ウィルソン 編集: 石田仁志)

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