1月30日、米国の移民入国制限に対して、多くの企業は沈黙を守っており、問題の取り扱いの難しさを物語っている。アップルなど、ハイテク企業トップは反発を強める一方、多様性へのコミットメントをあらためて表明するなどの対応にとどまる企業が多い。写真はトランプ氏と会談するアップルのクック最高経営責任者などの企業幹部。2016年12月撮影(2017年 ロイター/Shannon Stapleton)

[ニューヨーク/ボストン 30日 ロイター] - トランプ米大統領が導入した移民の入国制限に対して、多くの米国企業は沈黙を守っており、この問題の取り扱いの難しさを物語っている。

 アップルやグーグル、フェイスブックなど、移民の貢献によって発展してきたハイテク企業のトップがこの措置への反発を強める中、他の産業界ではコメントを控えたり、多様性へのコミットメントをあらためて表明するなどの対応にとどまる企業が多い。

 こうした反応の差は、新政権と公に対立することを避けようとするコーポレートアメリカ(米産業界)の姿を浮き彫りにしている。

 航空機大手ボーイングや自動車大手フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ(GM)などはすでにトランプ氏と他の問題で対立しており、税制や貿易、規制に関して新政権が下す政策判断から受ける影響は大きい。

 これら3社の関係者は、トランプ氏の移民入国制限についてコメントを控えた。

 また米金融業界は、新政権が2007─08年の金融危機を受けて導入された規制の一部を緩和することに期待を寄せる。

 ボストン大学のコーネリアス・ハーリー氏は「(銀行やヘルスケア、自動車メーカーなどの業界は)規制緩和の新時代の先端にいると感じており、新しい皇帝を怒らせることはしたくない」と指摘した。

 ゴールドマン・サックス、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーの関係者はトランプ氏の移民制限措置についてコメントを控えた。

 ウェルズ・ファーゴは、移民を制限する大統領令を精査しているところだとし、従業員や事業への影響を見極めているとした。