[香港 27日 ロイター] - 中国本土の企業が2015─16年、香港で開発用に売り出された土地の29%を取得したことが分かった。現地の有力業者も押しのけて買い漁っており、住宅価格の高騰を煽っている。

不動産ブローカー、ミッドランド・リアルティのデータによると、2013─14年はこの割合が5%にとどまっていた。

DTZ/クッシュマン&ウェイクフィールドによると、本土の機関投資家による香港不動産への投資は昨年66億ドルに上った。

香港の不動産価格は過去最高値に上昇しており、まともな住居に住めなくなっている市民も多い。不動産関係者によると、本土企業の買い漁りによってアパートの価格はさらにつり上る見通しだ。

香港の不動産サービス会社JLLの調査責任者、デニス・マー氏によると、中国の不動産会社、海航集団(HNAグループ)が取得した啓徳空港の跡地に建設予定の高級マンションは、価格が1平方フィート当たり2万5000香港ドル(3200米ドル)と、最近この地域で販売された居住用物件に比べて4割も高くなる可能性がある。

クリステイーズ・インターナショナル・リアル・エステートによると、香港の高級物件の平均価格は1平方フィート当たり3000ドルで、モナコに次いで世界第2位だ。

商業不動産用地についても、香港当局が第1・四半期中に入札にかける最大22億ドルと評価される中環(セントラル)地区の事業用地は本土勢が落札するとの見方が多い。セントラル地区で事業用地が売りに出されるのは20年余りぶりとなる。

香港の不動産王の多くは、本土企業と張り合うことに消極的だ。

香港最大級の不動産会社、恒隆地産(ハン・ルン・プロパティーズ)<0101.HK>のロニー・チャン会長は今週、「価格が常軌を逸した水準に達したため、当面は土地の入札に応じない」不動産会社もあるとし、恒隆も同様の考えだと説明した。

中国当局は、本土企業の海外資産投資を警戒し、人民元安につながる資本流出の抑制策に乗り出した。これによって実施が遅れている案件もあるが、関係者によると多くの本土企業は既に海外資産を抑えており、資金も手当て済みだ。

万科企業<000002.SZ>、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)<2007.HK>、CIFI<0884.HK>など香港に上場する中国の不動産会社はロイターに対し、海外の資金源に十分アクセスできるため、政府の取り締まりによる影響は出ていないと述べた。

CBREで香港、中国南部、台湾の調査を統括するマルコス・チャン氏は「資本統制策が市場にある程度の影響を及ぼすのは確かだが、それは新たな資本流入に限られる」と話した。

(Venus Wu、Clare Jim記者)