[東京 31日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ<8411.T>は、中核子銀行のみずほ銀行頭取に藤原弘治常務を充てる人事を決めた。グループ横断で各ビジネスラインに大きな権限を与えるカンパニー制の導入に熱意を傾けた本人が、その成否を試されることになる。

<営業経験薄い頭取の誕生、常識を破れるか>

「支店長経験もないのに頭取が務まるのか」──。ある中堅幹部は、藤原氏の頭取就任にこうした危惧を抱く。

ただ、リテールや法人、海外部門などグループ横断でビジネスラインごとにカンパニー長を置き、戦略の立案から資源配分、コストコントロール、最終利益まで責任を負わせるカンパニー制は、メガ銀行で初めての試み。別の中堅幹部は「営業の常識にとらわれていないからこそ、革新できるかもしれない」(別の中堅幹部)との期待感も出る。

藤原氏は、旧第一勧業銀行出身で企画部門を中心に歩んできた。「朝起きて一度たりとも出社したくないと思ったことはない」と公言する熱血漢。カンパニー制の導入も企画担当役員として主導したが、反対する先輩役員たちを理を尽くして説き伏せた。

<頭取は大家さん>

三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>も、2017年度から事業部門制を導入し、部門長に大きな権限を与えるが、みずほのカンパニー制は最終利益の責任もカンパニー長が負うという点で大きく踏み込んでいる。

頭取含め傘下証券会社などの各子会社のトップは、戦略を執行する役割を担う。ライバル行からは「みずほの頭取は、間貸しをしている大家さん」との陰口も出る。

銀行グループの収益の柱だった貸出ビジネスは、世界的な低金利で壁に突き当たっているのは間違いない。「グループ横断的で手数料ビジネスに舵を切る戦略は、間違っていない」(銀行アナリスト)との評価もある。

カンパニー長とエンティティー長の役割分担を、どのように成果に結び付けるのか。藤原頭取の実行力がこれから試されることになる。

(布施太郎)