[ワシントン 31日 ロイター] - トランプ米大統領は31日、大手製薬会社の首脳と会談し、国内生産を拡大させると同時に薬価を引き下げるよう要請した。また、日本や中国を名指しして通貨安を誘導していると指摘した。

トランプ大統領と会談したのはノバルティス<NOVN.S>、メルク<MRK.N>、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)<JNJ.N>、セルジーン<CELG.O>、イーライ・リリー<LLY.N>、アムジェン<AMGN.O>の最高経営責任者(CEO)のほか、製薬業界のロビー団体、米国研究製薬工業協会(PhRMA)の会長。

トランプ大統領は、薬価は桁外れに高いとの認識を表明。「メディケア(高齢者向け公的医療保険)やメディケイド(低所得者向け公的医療保険)など、価格を引き下げる多くの理由があり、他に選択肢はない」とした。米国では、メディケアとメディケイドが医薬品の最大の買い手となっている。

またトランプ大統領は、他国の通貨切り下げを受けて、製薬会社による生産の外部委託が加速したと指摘。他の国が「マネー、マネーサプライ、通貨切り下げによってわれわれ(米国)より有利な立場に立っている」と述べ、中国がやっていること、日本がやってきたことについて、通貨安を誘導していると指摘した。

「われわれは世界的なただ乗りを止めさせる」とし、他国も医薬品開発で応分の費用を負担すべきとの考えを示した。

大統領は、新薬承認にかかる時間の短縮化も確約、米食品医薬品局(FDA)の新トップを早期に任命する考えを示した。

同会合の一部はテレビ放映。それによると、アムジェンは年内に米国で1600人を追加的に雇用すると確約した。同社はその後、電子メールで現在は全世界で約2万人を雇用しており、このうち1万2000人が米国内での雇用となっていると説明。表明した1600人の追加雇用は新規採用のほか、削減分の補充も含むとした。

セルジーン、イーライ・リリー、メルク、アムジェンは会合後、電子メールでトランプ大統領のイノベーションや税制改革などに焦点を絞る姿勢に勇気付けられたと表明。

イーライ・リリーによると、「コストを押し上げ、イノベーションを鈍化させる時代遅れの規制」の撤廃のほか、効力のある通商協定などにも議論が及んだ。

PhRMAは会合後に発表した声明で、こうした政策が実施されれば、向こう10年で最大35万人の新たな雇用が創出されるとの見方を示した。

ノバルティスとJ&Jは会合後、特にコメントは発表していない。

*トランプの通貨安に関する発言内容を追加しました。