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クラフトビールに懸けたキリン「異端児」社員たちの奮闘

『究極にうまいクラフトビールをつくる』

flier
【第31回】 2017年2月6日
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普段、クラフトビールを飲みますか?

要約者レビュー

『究極にうまいクラフトビールをつくる』
永井 隆
192ページ
新潮社
1300円(税別)

 居酒屋に入ると考える間もなくビールを注文する。そして運ばれてきたビールを特に気にすることもなく飲み干す。そういう人はけっこう多いのではないだろうか。日本では同じような種類のビールばかりが出回り、ビールが個性のない酒と認識されている。本来ビールは多様な個性のある醸造酒だ。しかし、同じ醸造酒でも、産地や味わいの違いが話題になるワインや日本酒とは扱われ方が大きく違う。

 2011年の秋ごろ、そんな現状に不安を募らせたキリンビールの社員3人が、壮大な夢を掲げて動き出した。ビールの真価を実感できる個性豊かなクラフトビールをつくり新たなビールの未来を切り拓くのだ。しかし、それは大手ビールメーカーが長きにわたって進めてきた「効率化」に逆行したものであった。当然ながら社内では反対意見も噴出した。さらにはキリンの業績悪化という向かい風が吹き荒れた。それでも「異端児」たちは、夢を分かち合える仲間を少しずつ増やしながら、「日本のビール文化を変えたい」という信念を胸に突き進み、最先端のクラフトビール専門店の開業を実現させた。

 本書『究極にうまいクラフトビールをつくる』は、大手ビールメーカーを舞台に、一見、荒唐無稽な目標を掲げ、見事成し遂げた「異端児」たちのドキュメントである。本書の至るところに、彼らの仕事に対する情熱が垣間見える。業界を問わず、周囲を驚かせる挑戦に臨み、ビジネスを変革したいと考えている人にとっての必読書といえる。(山崎 裕介)

本書の要点

・キリンビールの和田徹は、ビールの未来がクラフトビールにかかっているという思いのもと、非公式なプロジェクトを発足させた。そして、究極にうまい新次元のクラフトビールを醸造しその場で飲める「大聖堂」が必要だと訴えた。
・このプロジェクトは、大量生産で利益を上げるという業界の常識に逆行するものであったが、和田たちは社長やキーパーソンを味方につけ、「大聖堂」の建設に漕ぎつけた。
・東京の代官山に「大聖堂」こと「スプリングバレーブルワリー東京」が開業し、日本のビール文化を変える革命が始まった。

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