2月1日、トランプ米政権は、通貨安批判の矛先を中国から日本、ドイツへと広げ始めた。米国内の製造業を保護するのが目的とみられるが、通商政策と表裏一体となったドル安政策は米国にとって不都合な事態をもたらしかねない。1月31日撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[東京 1日 ロイター] - トランプ米政権は、通貨安批判の矛先を中国から日本、ドイツへと広げ始めた。米国内の製造業を保護するのが目的とみられるが、通商政策と表裏一体となったドル安政策は米国にとって不都合な事態をもたらしかねない。世界最大の債務国である米国は、世界のマネーを引き寄せることで赤字をファイナンスしなければならないためだ。

米要人発言にドル急落

 トランプ大統領は1月31日、製薬会社幹部との会合で「中国が現在行っていること、日本がこれまで何年も行ってきたことをみてみれば、彼らがマネーマーケットや通貨安を手玉に取っているのを、我々は愚か者のように座して眺めているだけだ」と述べた。

 また、大統領が新設した「国家通商会議」の責任者、ピーター・ナバロ氏は同日、ドイツは「過小評価が著しいユーロ」を利用することで、米国や欧州連合(EU)の貿易相手国よりも有利な立場を得ている、との見解を示した。

 市場は、これらをドル高けん制発言と受け止め、31日の海外市場で、ドル/円は急落。一時、約1.5%下げ昨年11月30日以来の安値となる112.07円を付けた。ユーロ/ドルも1%強上昇し1.0811ドルと、昨年12月8日以来の高値となる場面があった。

他国の金融政策に言及

 今回トランプ大統領の発言で注目されたのは、他国の金融政策に言及したと受け止められる内容があったことだ。

 大統領は、米企業の競争力が弱いのは「他国が通貨や通貨供給量、通貨安で有利な立場を確保してきたという事実と大いに関係している」と指摘。「米国はひどい状況におとしめられてきた」と、通貨安の原因として他国の金融政策にも矛先を向け始めた。