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トランプ政権がEU戦略大転換、ドイツにも「口撃」開始

ロイター
2017年2月2日
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1月31日、米国は過去7年間、欧州に単一通貨ユーロの崩壊を防ぐよう行動を促してきた。トランプ新大統領(写真)の就任から2週間にも満たない今、その姿勢が180度転換したようだ。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米国は過去7年間、欧州に単一通貨ユーロの崩壊を防ぐよう行動を促してきた。トランプ新大統領の就任から2週間にも満たない今、その姿勢が180度転換したようだ。

 新政権は、ドイツがユーロ安を利用して貿易黒字を確保していると批判している。貿易を中心に据えるトランプ氏の世界観に基づけば、ユーロもまた不要な多国間協調主義の一部なのかもしれない。

 トランプ氏は欧州連合(EU)離脱を選んだ英国の決断を称賛し、他のEU諸国も追随するだろうと予言した。

 「米国家通商会議」のナバロ委員長は31日付の英紙で、「過小評価が著しい」ユーロはドイツ1国のための通貨であり、同国はユーロ安を利用して米国その他の国々を「食い物にしている」と断じた。

 財務長官に指名されているムニューチン氏は、現在のドル高が製造業と輸出の復活の障害になっている可能性を示唆し、「強いドル」が国益に沿うという伝統的な米政府の姿勢を軟化させた。

 一連の言動を見る限り、米国は中国やメキシコだけでなく、世界第4位の経済大国であるドイツとも真っ向から衝突する可能性がある。

 インターナショナル・キャピタル・ストラテジーズのダグラス・レディカー執行会長は「米国が個々の国々と交渉する、分割統治スタイルに回帰したいという欲求がうかがえる。通貨を操作する権限を持たないドイツを名指しすることは、『単一通貨の存在など知ったことではない。おまえの国の説明を求めているのだ』と言っているようなもので、飛躍している」と解説する。

 ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が金融政策を決めており、その政策が最近のユーロ安に寄与している。

 ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、ジェロミン・ゼトルマイヤー氏は、トランプ大統領が、ドイツがユーロ安から得ているメリットを相殺すると称し、同国製品に税金を掛けようとする可能性があると指摘。「トランプ氏の考えでは、米国がある国に対して貿易赤字を抱えているのは、その国が何らかの形で盗んでいる、あるいは少なくとも有利な取引をしている、ということになるようだ」と語った。

 欧州では既に懸念が広がっている。欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、EUの将来を揺るがす主な「外的脅威」の1つに米新政権を挙げた。

 ドイツ産業連盟(BDI)のディーター・ケンプ会長はナバロ氏の発言が報道された後、ベルリンで講演し、米国の保護主義政策により「主要な輸出・輸入国である我が国ドイツは特に厳しい影響を受ける」と案じた。

(Howard Schneider記者 David Lawder記者)

 

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