[シドニー/ワシントン 2日 ロイター] - 米ホワイトハウスは2日、イラクやイランなどからオーストラリアに亡命を希望して密航した数百人を米国へ移住させるという米豪間の取り決めについて、トランプ大統領は「憤慨」しているものの、合意を尊重して受け入れると発表した。

スパイサー大統領報道官は記者会見で「合意は前政権が結んだもので大統領は非常に憤慨している」とする一方、トランプ氏は豪州とターンブル首相に敬意を表し、取り決めに基づき手続きを進めると述べた。

ただ、トランプ大統領が「これまでで最悪」と評した電話会談の詳細が明らかになるにつれ、米豪間の長年の同盟関係に軋みが生じている。

トランプ大統領は2日、ツイッターで、米豪間の取り決めを「ばかげた合意」と評した。

ワシントン・ポスト紙によると、1月28日に行われた大統領と首相との電話会談では、トランプ大統領が豪は米国に「次のボストン爆破犯」を輸出しようとしていると非難。

外国指導者とのこれまでの会談の中で「群を抜いて最悪の会談だ」と首相に伝え、1時間の予定だった会談を25分で一方的に打ち切ったという。

トランプ大統領は2日、ホワイトハウスで記者団に対し、豪との合意を「尊重する」と語ったが、他国が米国を利用している例の1つだとも指摘し、進んで受け入れるわけではないことを明確にした。

一方、ターンブル首相は記者団に、電話会談の詳細が漏れたことに驚いており、がっかりしていると語ったが、トランプ大統領が電話を一方的に切ったとの報道は否定した。

こうした両国間の軋轢は今後影響が拡大する可能性もある。

豪州と米国は、機密情報を共有するいわゆる「ファイブアイズ」のメンバー。

政治アナリストらは、両国間でのこうした辛辣なやり取りは前例がなく、ベトナム戦争を巡って悪化したニクソン元米大統領とホイットラム元豪首相の関係にも勝ると指摘。ベテラン政治アナリストのハリー・フィリップス氏は「当時であっても外交儀礼に則った言葉が使われた」と述べた。

豪州、ニュージーランド、米国の3カ国は1951年に相互安全保障条約(アンザス条約)を締結している。

*内容を追加します。