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このまま凋落していくのみ?
ドバイが生き残る術はあるのか

小林昇太郎 [船井総合研究所 経営コンサルタント、富裕層ビジネス研究会主宰]
【第2回】 2010年1月4日
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 富裕層ビジネスを考えていく際、日本国内だけでなく、広くグローバルにも視野を拡げていくことは多くの経営者にとっても必要なことである。今回は、世界中から富裕層や投資家が集まる国として数年前から多くの話題を提供してきた中東地域のドバイを取り上げてみようと思う。

リーマンショック後
急速に勢いを失ったドバイ

 昨年11月末、ドバイ関連のニュースが再び世界を駆け巡った。ドバイとは、UAE(アラブ首長国連邦)を構成する7つの首長国(首都はアブダビ)の1つであるが、そのドバイの政府系持ち株会社であるドバイ・ワールドが12月14日に償還期限の迫っている約35億ドルの債権(イスラム債)の支払い猶予を債権者に要請したというのである。

 ドバイ・ワールドの債権の大半は、このドバイ・ワールドが持ち株会社として持つ約20社のうちの1社で、大手不動産開発会社のナキール社のものであるが、この35億ドルの債権以外にも、ドバイ・ワールドは約590臆ドルの債務を抱え、その大半はナキール社に帰属していると言われている。

 ナキール社をご存知ない方も多いと思うが、ベッカムやビルゲイツ、シューマッハなど世界の多くの著名人が、椰子の木の形をした島のパーム・ジュメイラや、複数の島からなり世界地図の形をしたザ・ワールドに建てられた高級別荘を購入したという話なら、おそらく聞いたことがある人も多いのではないだろうか。

パーム・ジュメイラの高級ヴィラ

 ナキール社は、まさにこのパーム・ジュメイラやザ・ワールドを開発した政府系の不動産開発会社である。私も昨年のリーマンショック直前にドバイを訪れ、パーム・ジュメイラも実際に、この目で見てきた。このとき多くの開発現場ではクレーンがフル稼働状態でドバイにはまだ活気と躍動感が感じられた。

 しかし、金融危機の直後からドバイはその勢いを急激に失っていく。私も定期的にドバイの知人や情報機関から現地の情報を収集しているが、つい先日もドバイで複数の企業を経営する経営者兼投資家と情報交換した際に彼が言っていたことは、「多くの不動産開発事業が途中でストップしている」、「出稼ぎ労働者も減り、ドバイ市内の交通渋滞が緩和された」、「タクシーを待つ人の列が短くなった」ということであった。ただ、商業施設は地元の人を中心にそれなりに賑わっており、客足が激減しているといったほどではないとのことであったが、ドバイの経済全体が大きく停滞していることは紛れもない事実であり、この停滞はこの先も当分は続くことが予想される。

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小林昇太郎 [船井総合研究所 経営コンサルタント、富裕層ビジネス研究会主宰]


立教大学大学院 経営管理学修了。「日本をはじめ、世界の富裕層ビジネスの今を知ることが富裕層ビジネ スへの参入だけでなく、日本の多くの経営者の抱えている既存・新規ビジネスへの経営課題をも解決する」と考え、2009年4月、富裕層ビジネス研究会を立 ち上げる。研究会には、国内だけでなく東南アジア、香港、中東など海外から研究会への入会も多く、研究会からいくつもの新規事業を立ち上げている。多方面に渡るネットワークを国内外に持ち、それを活用しながら日本とアジアをつなぐビジネスプラットフォーム構築を船井総研の中で手がける。
著書:『ビリオネアビジネスの極意』(KKベストセラーズ)他。

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