グリーン家電エコポイントが3月末での終了を迎えるなか、環境省のエコ・アクション・ポイントが、「消費者一人ひとりのエコアクションを大きなビジネスに結ぶ取り組み」として期待されている。低炭素社会の構築に向け、国費に頼らない持続可能なシステムとして運営されるエコ・アクション・ポイントに注目してみたい。
家電・住宅エコポイントと異なる二つの特徴
環境省のエコ・アクション・ポイント(EAP)は、環境負荷の少ない商品・サービスの選択や省エネ行動に対して、さまざまな商品などに交換できるポイントを発行し、消費者の環境に配慮した行動(エコアクション)を促進することを目的として2008年4月より運用開始した、環境配慮型のポイントプログラムである。
注目したいのは、家電・住宅エコポイントとEAPとでは、大きな違いがあることだ。
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第1に、EAPは、ポイント原資をそれぞれの参加事業者が支出する。それにより“期間限定”ではなく、国費に頼らない持続可能なポイントプログラムとしての運営が期待されている。11年度からは、環境省のモデル事業から発展し、民間事業者が主体となって運営していく予定だ。
第2に、ここが重要なのだが、事業者は環境省のガイドラインに沿って、環境配慮型の幅広い商品・サービス等を、ポイント付与対象となるエコアクションとして選定することができる。
つまりEAPは業種・業態を問わず、幅広い事業者が参加することのできる仕組みなのだ。実際に参加している事業者は多岐にわたり、自治体やNPOなども参加している。
さまざまなエコ活動に
共通のポイント制度
低炭素社会の構築に向けては、家庭やオフィスなど民生部門での省エネ・省CO2がカギを握るといわれる。そこで「国民参加型の地球温暖化対策」として、EAPが考え出された。
消費者からすれば、さまざまなエコアクションが、共通の“ポイント”というモノサシで評価されるから、わかりやすい。また、多様な商品やサービスに交換できるポイントが貯まるだけでなく、エコアクションによるCO2排出削減量も“見える化”され、貯めていくことができるから、エコアクションへのインセンティブも大きい。
EAPのロゴは、これまで白クマのビープ(BEAP)だったが、緑の若葉をイメージしたロゴに一新した。これは、各企業が自社設定のキャラクターを用いることが多いことから、より親和性が高いデザインを配慮したもの。エコ・アクション・ポイントの顔として、街で見かける機会が増えそうだ。
EAPへの参加者数はすでに約30万人を数え、参加事業者は57企業・団体、発行ポイント数は約1億5000万ポイント、交換商品数は環境寄付や温暖化対策商品を含め約110種類と充実してきている。
ポイントの付与からCO2削減量までは、運営事務局(JCB)が一元管理し、プラットフォームを介して参加者・参加事業者ともに情報を得られる仕組みだ。