[ロンドン/東京 3日 ロイター] - 米原発子会社ウエスチングハウス(WH)による巨額の損失が予想される東芝<6502.T>は、英国とインドにおける原子力発電所建設プロジェクトの主導権を手放す方向で検討している。複数の関係者が明らかにした。

英国では、東芝とフランスの公益事業大手エンジー<ENGIE.PA>の合弁企業、ニュージェネレーション(ニュージェン)が3基の原発を建設する計画を進めている。また、インドではWHが同国原子力発電公社と原発6基の新設に向け交渉している。東芝が海外での原発事業縮小に踏み切れば、これらの計画遂行に大きな打撃になる可能性がある。

東芝が6割を保有するニュージェンはWHが設計したAP1000型原発3基を西カンブリア地方ムーアサイドに建設する計画だが、ロイターの取材に応じた関係者の1人は、150億-200億ドルに達する投資額は東芝にとって負担できる金額ではない、と話す。別の関係者は東芝がニュージェンのプロジェクトからの完全撤退を検討していると指摘した。

また、二人の関係者は、ニュージェンのもう一方の大株主である仏エンジ―が新規の原発プロジェクトへの投資を望んでいないと述べた。 これらの情報について、東芝は海外におけるすべての原発事業を見直しているとしながらも「現時点では、英国のプロジェクトも含め、何も決まっていない」としている。ニュージェンとエンジ―もコメントを控えている。

一方、WHによるインドでの原発建設計画はモディ首相とオバマ前米大統領が強力に支持したプロジェクトだが、ロイターが取材した3人の関係者は全員がこの計画について今やほとんど不可能とみている。

「インド政府は契約企業が1社であることを喜んでいたが、それは継続できないだろう」と関係者の1人は話す。結果として、インドの民間エンジニアリング企業か米国企業などの外国勢が参画する方向になりそうだと予想する。

WHとの計画に関与しているインドの国営企業および外務省の代表者は、ロイターからのコメント要請にまだ答えていない。