[オリンピア・フィールズ(米イリノイ州) 3日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は3日、トランプ新政権の財政政策で経済成長が持続可能でない水準まで押し上げられる可能性があるものの、連邦準備理事会(FRB)は緩やかに金利を引き上げていく必要があるとの考えを示した。

同総裁は講演原稿で「下方リスクに耐えるための適切な成長バッファーを実態経済に与えるためには、正常化ペースを緩やかなものとすることが適切な政策となる」とし、「フェデラルファンド(FF)金利が長期的な水準に戻るための調整軌道は緩やかなものであることを望んでいる」と述べた。

多くのFRB当局者は年内3回の利上げを予想。エバンズ総裁は 今回の講演では自身の利上げ回数の予想は示さなかった。

また、トランプ政権の下で予想される減税や景気刺激策を踏まえ自身の米経済成長率予想を引き上げたとし、成長率は向こう数年間は2─2.5%と、長期的に持続可能な水準の約1.75%を上回るとの見通しを示した。

失業率については向こう数年間で4.25%と、長期的に持続可能な水準である4.7%を大きく超えて低下すると予想。これにより、現在1.7%近辺となっているインフレ率は2019年までにFRBが目標とする2%を回復するとした。

一部アナリストの間では、トランプ政権が確約している拡張的な財政政策により、すでに完全雇用に達している可能性のある米経済が過熱し、FRBはより急速な利上げを迫られるのではないかとの懸念も出ている。

エバンズ総裁はこの点についてはさほど懸念を示さなかったものの、構造改革が実施されないまま成長率が向こう数年間にわたり4%を超える水準に押し上げられれば、インフレ圧力が増大し、最終的にFRBは金融引き締めを迫られる可能性があるとの懸念をあらためて表明した。

労働省が朝方発表した1月の雇用統計については、「非常に良好だった」と指摘。失業率が4.8%と前月の4.7%からやや上昇したことについては労働市場に参入した人が増えたことが要因だったとし、こうしたことは労働市場の健全性の良い兆候となるとの見方を示した。

エバンズ総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っている。