2018年卒採用の就活戦線は3月から本格開始となるが、その前にインターンシップ(就業体験)を実施する企業は多い。学生にとっては自分に合った企業を探すための良い機会だが、事実上は採用の青田買いの場になっているとの指摘もある。就活中の大学3年生で、インターンシップにも参加経験のある学生ライターの伊東琴子さんが実態をレポートする。

就活学生を惑わせるインターンシップ「6日目」の存在3月から解禁となる2018年卒採用の就活戦線。しかしその前に、あくまで「就業体験」を目的としたインターンシップを実施する企業は多い

同窓会と称する
インターンシップ「6日目」

「サマーインターンシップ同窓会を開催いたします。ぜひご参加ください」

 これは、大学3年のとある学生に送られたメールの一文だ。この学生は昨年夏に、都内企業で5日間のサマーインターンシップに参加した。その後、しばらく音沙汰がなかったが、年末に突然このメールが送られてきたという。

 このように、インターンシップ後、食事会やワークショップと称して学生との関わりを途絶えさせないようにする企業は多い。5日間の正規インターンシップとは違い、非公表のイベントであるこれらの集まりは通称「6日目」と呼ばれている。そして、この「6日目」への参加者は正規インターンシップ参加者から選抜していることもある。

 先ほどの学生に「同窓会」へ参加するかどうかを聞いてみたところ、彼女はこう即答した。

「もちろん参加します。どうやら、これは“意思確認”らしいのです」。彼女が言う“意思確認”とは、インターン参加者限定特別選考へ参加したいかどうかという意思確認だ。なお、この同窓会には、人事部長や取締役レベルの役員も出席するという。

「6日目」の開催の他にも、企業がインターンシップに参加した学生から選抜し、OB・OG訪問を打診することもあるという。すでに数回のOB・OG訪問を行ったという学生は、「企業の方から毎回新しいOB・OGの方を紹介され、会っています。3月以降は、リクルーター面接に形を変えていくのかなと思っています」と語る。なお、これらの企業はいずれも、経団連(日本経営者団体連盟)に加入している企業である。