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情報が消費されるだけの時代はもう終わった?
マンガでニュースを読むサイトが登場した意義

木村明夫
2011年4月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
アプリからのアクセスが全体の3分の2を占めている。PC、iPhoneアプリ、Androidアプリからのアクセスで月間約310万PVというからスゴイ。

 ご存知の方も多いと思うが、マンガでニュースを読めるサイトがある。「マンガで読むニュース 漫画の新聞」がそれだ。

 さすがに、ニュースで流れたものをすぐにマンガにして読むことは不可能にしても、わかりにくいニュースを非常に理解しやすく紹介しているのが特長だ。社会・経済はもちろんのこと、スポーツや芸能、家電・IT、エンタメ、レジャーと、カテゴリは多岐に渡っている。

 現在は、読者の政治への関心が高まっていることを考慮して、党派を越えた政治家たちの人物リレー「ようこそ先生たち」という政治家の素顔を伝える主旨の特集が、好評連載中だ。知らなかった政治家の一面を垣間見ることができる。

 試しに、ランキング第1位(3月20日現在)の記事『「消滅危機言語」って!?』というニュースを見てみることにした。マンガの上部にはきちんと文章で、ニュース報道された内容もしっかりと明記されている。

 『インドの「ボ語」(Bo)の最後の話者、Boa Srさんも85歳前後で亡くなり、「ボ語」は絶滅した』という内容だが、これをマンガにするとどうなるのか?

 ストーリーは、英語を勉強しているがなかなか覚えられない妹と、それを見ている姉が会話を交わす、ごくありふれた日常風景からスタートする。妹が「世界が1つの言葉だったらこんな苦労しなくても済んだのにぃ」と愚痴をこぼす。それを聞いていた姉が、「バベルの塔に怒った神様が言葉を混乱させた」という神話についてわかりやすく説明する。

 そこから、ニュースの本題である「ボ語」が絶滅したという話に繋がっていく。姉は、「現在世界で使用されている言語がいくつあるのか」「その言語も百年も経たないうちに、半数近くが消滅する危機にある」とわかりやすく説明してくれる。そういうことを「消滅危機言語」と言うのだそうだ。

 「絶滅危惧種」くらいは知っていたが、「消滅危機言語」という言葉があることを知り、良い勉強になった。言語が消滅していく原因は、大国の強制的圧力や標準語化政策による影響が大きいとされている。標準語化政策や消滅危機言語と関係があるかどうかは別として、地方で生まれ育った筆者にしてみれば、都会での生活において方言が直らずに笑われたことを思い出す。

 これが、たった数行のニュースで報じられた「消滅危機言語」という内容である。実に深く紹介されているではないか。それをマンガという媒体を通じて伝えているから、なおさらわかりやすい。

 このサイト、ドイツの週刊誌『SPIEGEL』や米国の雑誌『WIRED』からも取材を依頼されるなど、海外からも高く評価された経緯があり、「経産省CoolJapanカンファレンス」では「漫画は新しい言語である」というプレゼンも行なっている。さらに、海外からの取材申込みは紙面の都合上書けないほど多数に及ぶ。

 海外から見ればそれだけ「日本=マンガ文化」というイメージが強いことを考えれば、マンガは日本人として胸を張れる文化なのではないかと思う。今、マンガについて偏見を持っている方に今一度、この現実を直視して欲しいと願うのは筆者だけではないはずだ。

 ニュースは日々大量に流れ、消費されていく。だが、「漫画の新聞」のように時間をかけて内容をじっくりと掘り下げ、知識として活かさなければ、日々のニュースは「ただの情報」で終わってしまう。明日にはまた新しいニュースが流れ、大切なニュースが忘れ去られていく。それでは意味がないことを、改めて教わったような気がした。

(木村明夫)


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