定住、UIJターンの促進に積極的な潮来市
約10分間隔で東京駅間のバスが運行される

 茨城県の南東部に位置する鹿行(ろっこう)地域。首都圏から約80km圏内にあり、ビジネスとレジャー両方の目的で多くの人が行き来している。霞ヶ浦などでのレジャーが盛んで、鹿島神社など観光地、鹿島臨海工業地域、そして鹿島アントラーズの本拠地もある。

 東京と鹿行地域を結ぶ足は、関東鉄道株式会社、ジェイアールバス関東株式会社、京成バス株式会社で共同運行する高速バスが主流。潮来市内にある高速バスの停留所「水郷潮来」から東京駅まではほとんどが高速道路で、約1時間20分。約10分間隔で一日82往復。水郷潮来の上りは朝の5時台から、東京駅の下りは23時台まで、土日関係なく運行しており、年末年始やお盆、GW、アントラーズのホーム試合時には増便する。柔軟に渋滞を避け、遅れないバス路線としても定評がある。年間利用者数約155万人は茨城県随一。全国でも5本の指に入るマンモス路線で、今年は過去最高の利用者数を記録している。

 通勤・通学の利用者向けの高速バス定期券も発売されている。通勤は一カ月あたり6万円、通学一カ月あたり5万円。半月乗車すれば元が取れる価格設定だ。潮来市では平成28年度から、高速バス定期券の助成金として最大2万円を支給する制度も導入し、初年度は社会人1名、学生16名の17名が利用。平成31年度までの政策だが、延長等も再検討したいとのこと。茨城の玄関口である水郷情緒にあふれ時間がゆるやかに流れる潮来で「いたこ暮らし」を満喫しながら、都内へも通勤・通学が便利になっている。

 潮来市では平成27年度から定住、UIJターンの促進に積極的に取り組んでいる。現在の人口は約2万9000人(平成28年11月時点)。高速バスの助成金導入の他にも『空き家・空き地情報バンク』の拡大、県内トップクラスの不妊治療の補助金支給、創業支援認定都市として起業者や経営者の支援、定住の支援にも力を入れ、水運の街の名残である河岸跡や周辺環境の整備も予定。高速バスの停留所「水郷潮来」周辺の日の出地区は地価も安く、周辺一帯の開発も進み、利便性が高まる「サテライトオフィスやテレワーカーにもおすすめのスポット」だ。

【高速バス定期券の購入費用の助成制度の対象者や期間】
(1) フルタイムで働く新社会人や50歳未満の転入者、通学者が利用可能
平成26年3月以降に各種学校等を卒業し、平成28年4月1日以降に就職した本市在住の新規就労者。転入者は、潮来に住む前の一年間以上は他の市町村に住民票があり、平成28年4月1日以降に転入した当初の年齢が50歳未満の人のみ。潮来市在住で各種学校等へ通学している人もOK。ただし、市外において雇用期間の定めのないフルタイム勤務をする人や通学者に限る。いずれも世帯全員に市税の滞納がないことが条件だ。
(2) 一カ月あたり最大2万円を助成
勤務先で通勤手当が支給される場合、定期券購入費からそれらを差し引いた額に応じて助成金が支給される。自費で払う額が2万円以上の場合は2万円を、2万円以下の場合はその額が助成されます。
(3) 期間は平成31年度までの4年間
助成金の支給は、平成28年度から平成31年度までの4年間実施予定。

(写真提供/茨城県)

*本記事はhttp://iju-ibaraki.jp/interview/yokota-saaya.html、http://iju-ibaraki.jp/susume/itako-bus.htmlを茨城県の許可を得て再編集したものです。

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