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美人のもと

数字

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第96回】 2011年4月4日
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 美人は時々、不思議なことで喜ぶ。急に笑顔になって、その原因を聞くと、それがそんなにうれしいことなのだろうかと思えることが多い。

 典型的なのがデジタル時計を見ての喜び方である。その数字を見たことに喜ぶのだ。例えばゾロ目。11時11分の表示を見るだけで喜ぶのだ。そして、それをいちいち報告する。

 報告されてもどうリアクションしていいのかわからないのだが、なぜかその報告がかわいく思えるのだ。

 「今、12時34分だよ。56秒もしっかり見なきゃ」と言ってニコニコする。その表情はとてもかわいい。そういって喜んでいる人はたいてい美人だ。

 もらったおつりの数字が555円であっても、笑顔で気持いいと報告する。電車の指定席が22番だっただけで、喜ぶ。

 なぜか。小さな気持ちよさを大切にしているのだろう。日常の小さな気持ちよさを、喜びに感じる。そのときの表情は美しいものである。そして、そういう瞬間をたくさん経験する日常を持つことこそが「美人のもと」になっていくのではないか。

 小さな気持ちよさは出会った数字だけでないのだ。見えるものが「整理されている」こと、きれいに並んでいることに喜びを感じるということだと思う。

 テーブルの上に並んだもの。引き出しの中の洋服。机上の文具。バッグの中の小物。下駄箱の靴。本棚の本。見た目に気持ちよく並んでいることを意識している。

 そして、その整理されたものに喜びを感じる。それが自然と日々の生活に美意識を持ち始める。

 11時11分を喜ぶ人をバカにしてはいけない。くだらないと思ってはいけない。その瞬間にその喜ぶ人はその瞬間に「美人のもと」を増やしているのだ。そんな姿をかわいいと思って、自分も笑顔をつくる。「美人のもと」のおすそわけである。

 その瞬間は毎日やってくるということも忘れてはいけない。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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