[東京 9日 ロイター] - 内閣府が9日に発表した12月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は前月比6.7%増加し、予測を上回る伸びとなった。10─12月は小幅な減少にとどまり、当初見通しを上回った。トランプ米大統領の言動に対する企業の不安が高まっているが、1─3月の受注見通しは製造業が支える形で前期比3.3%の増加となった。ただ、調査時点は12月下旬であり、その後の企業の投資姿勢の変化を確認する必要がある。

12月の受注額は、前月比6.7%増の8898億円となった。2カ月ぶりの増加。前年比では6.7%増だった。

製造業からの受注が前月比1.0%増、非製造業が同3.5%増となった。

調査機関の間では、製造業からの受注が2カ月連続で増加するかどうかが注目されていた。米大統領選後の円安進行は設備投資にポジティブな要因になったとみられる。非製造業は11月の大幅な落ち込みの反動もあり、増加した。鉄道車両や建設機械などからの受注が増えた。

10─12月は前期比で0.2%減少したとはいえ、当初見通し(前期比5.9%減)ほどの落ち込みにはならなかった。製造業は前期比0.5%増。辛うじて2四半期連続の増加となった。寄与したのは、非鉄金属、化学石油や化学といった素材系業種。逆にはん用・生産用機械やその他製造業などは減少した。

非製造業は前期比2.1%減少。鉄道車両やコンピューターなどの反動減が重なった。

企業からの受注見通しを基に内閣府が試算した1─3月期見通しは前期比3.3%増。 製造業は前期比11.6%増の見通しとなっており、高めの伸びが見込まれている。他方、非製造業は同2.3%減と2四半期連続で減少する見通し。

トランプ米大統領による為替や貿易不均衡を巡る対日批判もあり、企業は影響を見極めようとして投資姿勢を慎重化させるのではないかとの懸念が広がっていたが、受注は増加する見通しとなった。

ただ、調査時点は12月下旬ごろであり、その後、企業マインドは悪化している。8日発表の1月景気ウオッチャー調査では、企業部門が現状・先行きともに悪化。トランプ大統領に対する不安から設備投資の慎重化や、大手企業による海外拠点戦略の見直しによる影響を危惧するコメントが急増した。

今後の動きについてSMBC日興証券チーフマーケットエコノミスト、丸山義正氏は「昨年半ばに比べれば明らかに円安水準であり、価格競争力の好転を通じて製造業の業績や設備投資にプラスの寄与をもたらす。逆にマイナス材料は、政策面の不透明感だ。トランプ大統領の保護貿易政策や口先介入が不安を呼び起こし、投資を躊躇(ちゅうちょ)させる要因になる」とし、円安というプラス要因とトランプ大統領への不安の影響がどう表れるのか、1─3月期の動きで確認する必要があると指摘している。

*内容を追加し、写真キャプションを修正しました。

(中川泉 編集:山川薫)