経営×経理

IT補助金導入の要件

 この補助金を利用するためには、下記の要件を満たす必要があります。

 (1)日本国内で実施される事業であること
 (2)事務局が採択したIT導入支援事業者のITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する事業される事業であること
 ※事業者単位で生産性の向上を確認するため、申請は1事業者1回のみとなっています。

 つまり、ソフトウェアやサービスなどのITツールなら、なんでも導入すればその費用が補助されるというわけではなく、IT事業支援事業者のITツールを導入する際に限定されます

 「IT導入支援事業」に採択された事業者は650社あり、本補助金の事務局である一般社団法人サービスデザイン推進協議会のIT導入補助金のホームページから簡単に検索できます。

 このIT導入支援事業者のITツールのうち、補助対象となるソフトウェアやサービス等は、登録されているものに限定されます。こちらも上記のホームページでどのサービスが登録されているのかを確認することができます。

 また、この補助金の大きな特色として、導入支援、定着支援、活用支援、フォローアップを、IT導入支援事業者が行うということがあります。実際に導入する事業者自身でなく、いわば売り手側で補助金申請、およびその後のフォローなどもするというのは、他の補助金では見られないことです

 この点、補助対象となる中小事業者等の申請をとりまとめ、ビジネスプロセスを抜本的に効率化し、生産性の向上効果を最大限引き出すことを目的にしているといえます。

申請の要件、締切は「2月28日(火)17時必着」

 IT導入補助金を申請するには、平成29年1月27日(金)から平成29年2月28日(火)17時必着で申請する必要があります。つまり、残り半月ほどでIT事業支援事業者のITツールを導入することを決め、かつ、申請まで完了する必要があります。

 ただし、申請自体はIT導入支援事業者が行いますので、実質的には支援事業者への申込はもう少し早くなります。実際にいくつかのIT事業支援事業者では2月22日(水)を締切にしているところもありますので、すでに導入を検討している事業者は、早めに動き出すようにしてください

 補助金申請の全体の流れは下記のとおりです。

 (1)補助金申請書類を記入し、IT導入支援事業者にメール送付
 (2)補助金交付決定通知の確認
 (3)IT導入支援事業者との契約締結
 (4)納品確認
 (5)支払い 
 (6)支払、実績報告書の作成(申請はIT導入補助事業者)
 (7)補助金確定通知の交付の確認

石下貴大(いしげ・たかひろ)
行政書士法人GOAL代表、株式会社ボランチ代表取締役、一般社団法人行政書士の学校代表理事。これまでにのべ5000名以上の行政書士に実務セミナーを開催。各行政書士会、大学等での講演活動のほか、6冊の書籍を出版、日本経済新聞や各メディアに専門家として情報発信を続ける。

補助金の対象は、導入のコンサルティングサービスが付いたものが多いので、導入したはいいけれど社内に浸透しない、というリスクも軽減できると思います。3月決算を控え、効率的に将来へ投資したいという事業者も、本補助金は検討に値するでしょう。

 今回の申請締切は迫りますが、本補助金については2次募集の可能性も大いにあると考えられます。経営力強化・生産性向上に向けた取組は国家施策ですので、今後も活用できそうな補助金や制度について情報感度を高めておくことが、自社のメリットにつながるでしょう。

 補助金・助成金の最新情報については、専門の士業による情報検索サイト「みんなの助成金」をご活用ください。

(行政書士 石下貴大)

※この記事は2017年2月10日時点の情報になります。

Special Columns

石下貴大[行政書士]

いしげ・たかひろ

行政書士法人GOAL代表、株式会社ボランチ代表取締役、一般社団法人行政書士の学校代表理事。

 

1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒。2008年行政書士石下貴大事務所を開業し、2014年行政書士法人GOALに組織変更。

 

行政書士の実務を学ぶ場として「行政書士の学校」を主宰し、これまでにのべ5000名以上の行政書士に実務セミナーを開催。各行政書士会、大学等での講演活動のほか、6冊の書籍を出版、日本経済新聞や各メディアに専門家として情報発信を続ける。これまで500社以上の株式会社、一般社団法人、NPO法人などの起業や資金調達に携わる中で、多くの企業が補助金や助成金を活用できていないことを知り、もっとわかりやすく使いやすい情報発信が必要という思いから「みんなの助成金」を開発、運用する。 


「クラウド会計」は経営の生産性をどれだけ上げるのか?

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