ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

焦点:日米首脳会談、為替批判回避へ「神経戦」

2017年2月9日

[東京 9日 ロイター] - 安倍晋三首相は10日の日米首脳会談で、経済協議に関し、金融・財政・構造改革の「三本の矢」を軸に、広く意見交換する意向だ。トランプ米大統領が批判した為替政策への深入りは避けたい考え。

ただ、貿易ルールなどを扱う閣僚級の新たな協議体を設置する案を含め、日本からの提案に対する米側の出方に不透明感が残り、日米両政府の神経戦は予断を許さない。

 「為替は政治イシュー(論点)にすることでない」──。安倍首相は、2日の衆院予算委でこう述べた。

発言の背景には、トランプ大統領との首脳会談で為替の問題に踏み込めば、かえって市場の混乱を招きかねないとの懸念がある。

安倍政権は、円安に伴う企業収益の改善などで、国の税収を民主党政権時の2012年度から21兆円増やした。

トランプ氏の円安批判に対し、複数の政府・日銀関係者は「市場が動揺し、企業や家計に弱気のマインドが浸透すれば、景気回復の流れに悪影響がおよぶ」と、不安をあらわにする。

今回の首脳会談について、菅義偉官房長官は9日の記者会見で「両首脳間で信頼関係を築き、日米同盟のきずなをさらに強固にしたい」との考えをあらためて示した。

政府関係者によると、経済分野での協議は、20カ国・地域(G20)の合意を踏まえ「金融政策、財政政策、構造改革を総動員する」ことの重要性を共有するとともに、BEPS(税源浸食と利益移転)に関する租税回避問題も取り上げ、広範なやり取りを促す方向だ。

 「日本が2011年11月以降、為替介入に踏み切っていない事実関係を説明することはあっても、為替水準や動向についての具体的な言及は避けたい」と、先の関係者は指摘する。

トランプ大統領が「通貨供給量で有利な立場をとっている」と、あらためて日銀の金融政策に矛先を向けた場合は「円安誘導でない」との立場を明確にする構えだ。

併せて政府内で、安全保障や通商・貿易などを扱う閣僚級の協議体を設置する案も浮上したが、構成メンバーに名前の挙がっていた世耕弘成経産相の同行が急きょ白紙撤回となり、「通商を担う閣僚が不在で先行きが混とんとしてきた」との見方もある。

米側の感触を事前に得るため、外務、経産、財務の関係省庁幹部らはすでに現地入りし、最終的な調整を続けているが、想定外の対応を迫られる可能性もありそうだ。

(梅川崇 伊藤純夫 編集:山口貴也 田巻一彦)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


ロイター発 新着ニュース

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 新着ニュース」

⇒バックナンバー一覧