2月8日、イタリア国民の間で欧州単一通貨ユーロに対する反感が広がってきた。写真はユーロ硬貨とイタリアを示す地図。ローマで3日撮影(2017年 ロイター/Tony Gentile)

[ローマ 8日 ロイター] - イタリア国民の間で欧州単一通貨ユーロに対する反感が広がってきた。同国では6月にも前倒し総選挙が実施される可能性があり、毛色の異なるさまざまな政党が反ユーロ感情に訴えかけて支持を獲得しようとしている。

 イタリア中央銀行のサルバトーレ・ロッシ副総裁は先週、リスナーからの電話質問に答えるラジオ番組に出演した。多くの質問は、イタリアがなぜユーロを離脱して旧通貨リラに戻らないのか、というものだった。

 離脱すれば「破滅と大惨事」を招くと副総裁は答えたが、数年前なら離脱シナリオが公に討論されること自体、なかっただろう。

 ユーロが導入された1999年以来、イタリア経済は右肩下がりで、多くの国民はその原因がユーロにあると考えている。

「ユーロ導入前の方がずっと暮らし向きが良かった」と嘆くのは、ローマで不動産鑑定士として働くルーカ・フィオラバンティさん(32)。「物価は上がったのに給料は横ばいだ。ユーロから抜けて主権通貨に戻る必要がある」と語る。

 イタリア中銀は反ユーロ感情の高まりに気をもんでおり、中銀筋によると副総裁がラジオに出演したのは一般市民と対話するためだった。

 イタリアは1957年の欧州連合(EU)の元となる創設国の1つであり、英国のようにEU自体からの離脱を望む国民はほとんどいない。EUのおかげで欧州は平和と安定を保てたとの見方が浸透している。

 与党、民主党はユーロ支持の立場だが、ユーロを巡る財政規則は厳しすぎると不満を訴えてきた。

 その他の主要3党は濃淡こそあれ、いずれも反ユーロで、イタリアが現在の形でユーロにとどまるべきではないと考えている。

 次の総選挙は2018年初めの予定だが、前倒し実施の可能性もある。レンツィ前首相が昨年12月に国民投票で敗北し、辞任して以来、民主党が選挙で勝利する可能性は後退している。世論調査によると、現在の選挙制度では、どの政党も連立も過半数を獲得できそうにない。