2月9日、中国の債券先物市場に異変が起きている。3年前に再開したものの低調な取引が続いていたが、昨年10月からヘッジ目的の利用が急増し、取引高が爆発的に増えている。写真は人民元紙幣。北京で昨年3月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[上海 9日 ロイター] - 中国の債券先物市場に異変が起きている。3年前に再開したものの低調な取引が続いていたが、昨年10月からヘッジ目的の利用が急増し、取引高が爆発的に増えている。

 中国の債券先物市場は1995年に不正取引問題をきっかけにいったん閉鎖。2013年9月に再開されたものの、低金利環境下ではヘッジの需要は弱く、小ぶりの商いが続いていた。

 しかし昨年10月に様相が一変する。11月の5年債と10年債の先物の取引高は8200億元(1191億3000万ドル)と前月から倍増。さらに12月は過去最高の1兆7700億元へと2倍に増えて、わずか3ヵ月間で4倍に膨れ上がった。1月も旧正月の連休があったにもかかわらず、約1兆2000億元と高水準を維持した。

 背景にあるのはヘッジ需要の増大だ。中国政府が金融政策を引き締めに転換し、債券利回りと金利スワップが上昇。ほとんどの債券は事実上、政府の保証を受けていると受け止められてきた中国経済に新たなリスクが生まれた形になった。

 政府は2014年以降、デフォルト(債務不履行)の一部容認、経営悪化企業の債務の株式化などを通じて、国内総生産(GDP)の約3倍にも膨らんだ債務の圧縮に取り組んできた。また資本流出や人民元安を食い止めるため、さまざまな規制も打ち出している。

 新たなリスクの発生で、3年間にわたった債券相場の上昇に終止符が打たれ、10年物国債の利回りは昨年10月の安値から80ベーシスポイント(bp)上昇して3.5%近辺に達した。

 一方、ヘッジファンドのマネジャーにとって債券先物市場は、債券に弱気の見方を表明したり、ボラティリティ上昇に乗じて利益上げるのに便利な手立てだ。

 ヘッジファンドのアルファ・スクウェアード・キャピタルのワン・フェン最高経営責任者(CEO)は「これまで債券先物市場はヘッジファンドにとって厚みや流動性が不十分だった」と述べ、今年は取引高が2倍に増えると予想した。

 今は取引高の増加がヘッジを望む投資家をさらに引きつける状態。アルファ・スクウェアードのワン氏は「取引が活発になればなるほど市場参加者が増加し、それに伴って流動性も増えるだろう」と話した。

(Samuel Shen and John Ruwitch記者)