[東京 10日 ロイター] - エアバッグ部品の欠陥問題を抱えるタカタ<7312.T>は10日、2017年3月期の連結純損益が640億円の赤字になるとの見通しを発表した。同問題に伴う米司法取引での罰金などが響く。従来予想の200億円の黒字から一転して3年連続の赤字になる見込み。

同社製エアバッグ部品が異常破裂を引き起こした問題で、タカタは1月、性能検証試験でのデータ改ざんを把握しながら情報開示を怠ったとして罰金など計10億ドルを支払うことで米司法省と合意。このうち、計上済みの額を差し引いた約969億円と、リコール(回収・無償修理)関連訴訟への対応費用約106億円を昨年4―12月期決算で特別損失として計上した。

決算短信では「継続企業の前提に関する重要事象」として、司法取引関連損失引当金の計上などにより同期末に流動負債(1年以内に返済義務がある負債)が流動資産(1年以内に現金化できる資産)を超過したことや引き続き訴訟関連で多額の費用負担が生じる可能性があることなどが明記された。自己資本比率は、昨年9月末の29.4%から昨年12月末は9.8%に低下した。

一方、為替の影響で今期の売上高は6500億円(従来予想は6200億円)、営業利益は400億円(同350億円)に上方修正した。1―3月の前提為替レートを1ドル=110円、1ユーロ=120円とした。

エアバッグの異常破裂問題を巡っては、米国などの海外で関連事故による死亡者が16人、負傷者が150人超おり、大量リコールにつながっている。決算短信によると、日米とカナダだけでリコール対象は8470万個、リコール費用も1兆円規模に膨らむ見込み。現時点ではその費用の大半を自動車メーカーが肩代わりしており、今後、タカタの財務基盤は一段と弱まる懸念がある。

同社は昨年2月、外部の有識者からなる委員会を発足させ、再建計画の策定を依頼。同委員会はスポンサー企業として中国の寧波均勝電子<600699.SS>傘下の米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)を推薦し、大口債権者である自動車メーカーも交えて再建に向けて協議中。ただ、再建手法に関して、自動車メーカーからは裁判所を介する法的整理を求める声があるのに対し、タカタ経営陣は裁判所が関わらずにメーカーと話し合って債務を減免してもらう私的整理を主張しており、調整は難航している。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:吉瀬邦彦)