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日銀の超長期債買入増、10年利回り上昇の波及懸念に先手

ロイター
2017年2月10日
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2月10日、日銀が実施した国債買い入れオペでは、超長期債の買い入れ増額が市場の注目を集めた。写真は都内で2014年1月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日に実施した国債買い入れオペでは、超長期債の買い入れ増額が市場の注目を集めた。米金利上昇を受けて超長期ゾーンなどに金利上昇圧力が強まっており、「ゼロ%程度」を目標としている長期金利への波及防止を狙い、先手を打ったかたちだ。

 日銀は昨年9月に政策の軸足を「量」から「金利」に移行しており、金利重視のオペ運営に対して市場の理解を求めていきたい考えだ。

 10日の国債買い入れオペ(公開市場操作)では、年限10年超25年以下を2000億円、25年超1200億円買い入れと通知。それぞれ従来より100億円増額した。超長期ゾーンの増額は昨年12月以来となる。前回は市場金利の落ち着きを背景にその後、買い入れ額を戻している。

 円債市場では今回のオペ増額について、トランプ米大統領が9日に「おどろくべき減税策」に言及したことを受けて米金利が上昇。国内金利市場にさらなる上昇圧力が及ぶリスクに備えた対応との見方が出ている。

 もっとも日銀では、米市場動向とは関係なく、10年国債利回り

 日銀は昨年9月に現行の「長短金利操作(YCC)」を導入し、量から金利にシフトした。その際、過去3年の「量的・質的緩和(QQE)」の効果と副作用を総括。銀行貸し出しや設備投資にプラスの影響を与えるのは中短期金利との試算結果をまとめ、年限10年未満の金利を中心に抑制する姿勢を示した。

 生保や年金や超長期債利回りの過度の低下の副作用が大きい点なども考慮した。

 このため昨年9月以降、超長期債利回りは20年国債で0.4%程度から0.7%前後、40年国債で0.6%程度から1.04%前後へと上昇しており、特に11月のトランプ相場開始以降は、明確な上昇トレンドにあった。

 日銀では、金融仲介機能への配慮も踏まえて超長期ゾーンの金利変動をある程度、許容していると見られるが、急激な変動は「ゼロ%程度」の目標を設定している長期金利にも影響する可能性がある。

 このところ、日銀は国債買い入れ量を増額してきたが、市場では「その割には、10年ゾーンの金利低下幅が小さい」(国内銀関係者)との声が少なくない。

 ある国内銀関係者は「日銀もこうした市場の思惑を意識して、きょうのオペで増額してきたのではないか」と語る。

 ただ、日銀としては、政策目標を量から金利にシフトしており、オペの量に市場が一喜一憂するのは、日銀の認識と異なるとの立場。市場と日銀の認識ギャップが、今後、どのようになるのか、先行きは不透明だ。

 中曽宏副総裁は9日の高知市内での会見で、国債買い入れオペについて「金額・タイミング・回数は需給環境や市場動向を踏まえて実務的に決定している。(オペ運営で)政策スタンスを示すことはない」とし、物価2%目標の早期実現に向けて「必要・十分な国債買い入れを今後も継続していく」と表明した。

 短期マイナス0.1%、長期ゼロ%程度を軸としたイールドカーブの形成に向けて、今後も国債買い入れオペは臨機応変に対応していく考えだ。

(竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

 

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