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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

阪神淡路大震災から16年で、何が変わったか?
足もとはデフレマインド脱却のターニングポイントに
――高田創・みずほ証券グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長/チーフストラテジスト

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]
【第17回】 2011年4月6日
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大震災で円高になるという
「パブロフの犬」論

 まず、東日本大震災で被災された方々には、この場をお借りして心からお見舞い申しあげたい。

 3月11日に発生した東日本巨大地震を受けて、海外の市場参加者から「1995年1月に起きた阪神淡路大震災と同様に円高トレンドが強まるのではないか」「日本が資金繰りの観点から米国債の売却圧力を強めるのではないか」との問い合わせを多くいただいた。

 1995年の阪神淡路大震災後の局面においても、保険会社を中心としたレパトリの思惑が生じたが、支払い金額については当初の想定よりも小さなものとなった。震災の発生直後には、被害総額を見積もることが難しく、様々な憶測が生じやすい。

 また、大震災が起きると「パブロフの犬」のごとく、条件反射的に円高と思うようなバイアスが海外投資家にはあるように見えた。

 実際には、3月11日以降、日本からの海外債券の売り越しは確認されなかった。また、16年前の阪神大震災の直後も実際に日本の投資家による海外資産売却は限られた。

 筆者の見解では、米国サイドに由来するドル安バイアスは残存するが、今回、円の独歩高が生じるとは考えていない。むしろ、米国の金融政策のエクジット観測で夏場まで80円台半ばまでのドルの戻しも生じやすいと考えている。

 ただし95年の連想で、海外の市場参加者が「日本の投資家が資産売却を行なうと考える背景に何があるか」を考察する必要がある。同時に、過去16年にわたり、日本の経済や金融環境にどのような変化があったかを振り返る必要もある。

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島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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