[ロンドン 10日 ロイター] - 欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(金融安定・金融サービス担当)は10日、英国が2019年に欧州連合(EU)を離脱して欧州の単一市場へのアクセスを失った場合、経済の混乱や貿易条件の悪化に直面する可能性が高いと述べた。

ロンドンで開催されたブルームバーグのイベントに出席したドムブロフスキス氏は、メイ英首相が欧州単一市場へのアクセスを失う、いわゆる「ハード・ブレグジット」に突き進んだ場合、新たな貿易条件の構築に向けた交渉には「多くの時間とエネルギー」が費やされると述べた。

ドムブロフスキス氏は「もし英国がEU市場の外になるなら、われわれは有効な解決策を見出す必要がある」と述べた。

メイ首相は来月、EUとの間で2年に及ぶ離脱協議を正式に開始する予定だ。

ドムブロフスキス氏は、英国は移行期間であっても、金融の連鎖防止のために銀行間決済機関を速やかに閉鎖する権限などを付与しているEUの金融ルールを、加盟国として完全に守ることが重要だとした。

EUは市場での資金調達をしやすくするため「資本市場同盟(CMU)」構想を打ち出しているが、ドムブロフスキス氏は、英国のEU離脱(ブレグジット)は、その「力学」を変えるとも指摘した。

CMUを機能させるためには、市場とのつながりをどう維持するかEU離脱交渉の中で幅広く検討する必要があると強調。英国を除くEU加盟の27カ国の中だけで議論してはならないとした。

EUの政策当局者の一部は、ブレグジットを受けてユーロ建ての金融派生商品の決済業務をロンドンから欧州大陸に移すことを望んでいる。そうなれば英国から何千もの雇用が失われることになる。

決済業務をユーロ圏に移行しようとする欧州中央銀行(ECB)の最初の試みは、欧州司法裁判所に阻止された。

ドムブロフスキス氏は「ECBがこの問題を再び検討していることは知っている。欧州委としては、ともに状況を精査し、適切な方向性を見出す用意ができている」と述べた。