[東京/ソウル 12日 ロイター] - 北朝鮮は12日午前、同国西岸から弾道ミサイルを発射した。ミサイルは日米韓が警戒していた大陸間弾道弾(ICBM)ではなく中距離弾とみられ、500キロ飛んで日本海に落下した。韓国軍は「北朝鮮に強硬路線を取る米新政権に対する武力誇示の一環」と分析している。

日韓両政府によると、ミサイルは同日午前7時55ごろに北朝鮮西岸から発射。日本の防衛省によると、約500キロ飛び、北朝鮮の東岸から約350キロの日本海に落下した。船舶や航空機への被害、日本の排他的経済水域(EEZ)への落下は確認されていないという。

今回のミサイル発射は、米トランプ大統領との初会談のために日本の安倍晋三首相が米国を訪問しているタイミングと重なった。滞在先のフロリダ州でトランプ氏と会見に臨んだ安倍首相は、「断じて容認できない」と非難。「私とトランプ大統領は日米同盟をさらに緊密化し、強化することで一致した」と語った。トランプ氏は「米国は100%日本とともにある」と述べた。

米韓もフリン国家安全保障担当補佐官と金寛鎮国家安全保障室長が電話で協議し、北朝鮮に対してあらゆる選択肢を検討することで一致した。トランプ政権関係者によると、追加の経済制裁や、東アジアに展開する米軍に追加の装備を配備する可能性があるという。北朝鮮に影響力がある中国への働きかけも強める。

ミサイルの軌道を追跡した米国防総省は、北朝鮮が発射したのは中距離ミサイルだったと結論づけた。日米韓は、米国まで届く可能性のある大陸間弾道ミサイルの発射を警戒していた。日本の防衛省は、北朝鮮が昨年6月に新型中距離弾道弾「ムスダン」を発射したときのような、「1000キロを超える特異な高度ではなかった」(稲田朋美防衛相)としている。

北朝鮮は昨年、20発以上の弾道ミサイルを発射。このうち6月に打ったムスダンは、高度1000キロ以上に達し、日本海に落下した。推定射程2500─4000キロのムスダンは、本来なら日本列島を超えるが、このときはわざと高い角度をつけて飛ばす「ロフテッド」という手法を使ったと日本の防衛省は分析している。

日本政府は国家安全保障会議を招集。稲田防衛相は記者団に対し、「情報の収集・分析、警戒監視に全力を挙げる」と語った。

*情報と写真を追加して再送します。

(久保信博、ジャック・キム、マット・スペタルニック 編集:田巻一彦)