[東京 13日 ロイター] - キリンホールディングス <2503.T>は13日、ブラジルでビール事業を行っている子会社をオランダのハイネケン<HEIN.AS>のグループ会社に売却することで合意したと発表した。売却価格は約770億円。一方、ミャンマーでは新たな投資を発表するなど、海外事業では、東南アジアへのシフトを鮮明にする。

<「一番搾り」の販売は継続>

キリンは、2011年に約3000億円を投じてスキンカリオール(現ブラジルキリン)を買収、ブラジルに進出した。買収当時は、約7割のシェアを持つアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)<ABI.BR>に次いで、シェア15%で第2位だったが、ブラジル経済の低迷やレアル安の進行、競争激化などが重なり低迷。シェアも第3位に落ちていた。

磯崎功典社長は会見で、ブラジル事業について「経済・政治・社会など様々な点で予測しなかったことが起きた」と振り返った。ただ、マネジメントの刷新や工場売却などの効率化策を進めた結果、2018年の黒字化に道筋が付き、売却についても「業績が回復基調に入ったことで複数社からオファーがあった」という。今後、ブラジルにおいては、ハイネケンが「一番搾り」の販売を続ける予定。

売却は、ブラジル当局の承認を受け、実行する。譲渡日が決定していないため、業績への影響は未定としている。

ブラジル事業の売却を決める一方で、東南アジアへの投資は積極的だ。

キリンHDの東南アジア地域持ち株会社であるキリンホールディングスシンガポールは、ミャンマー・エコノミック・ホールディングス社(ヤンゴン市・MEHL)の一部門であるマンダレー・ブルワリーの新たな合弁会社に51%出資する。出資金額は約4.9億円。

一方、55%を保有するミャンマー・ブルワリー社の株式のうち、発行済み株式総数の4%をMEHLに譲渡する。譲渡価格は約45.5億円。

ベトナムでは、 国営ビール最大手のサイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)<SAB.HM>の株式売却などが計画されている。磯崎社長は「ベトナムも大変魅力的な市場」としながらも「世界のビールメーカーが狙っている市場。合理的な条件でなければ、なかなか投資できない」と述べた。

また、同日、コカ・コーラグループと続けていた資本提携協議を終了すると発表。業務提携については、協議を継続するとしている。

*内容を追加しました。

(清水律子 編集:吉瀬邦彦)