[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、トランプ米大統領の政策や英国の欧州連合(EU)離脱、ドイツやフランスでの選挙が2017年のユーロ圏経済に悪影響を与えかねないとの見方を示した。

17年のユーロ圏経済成長率見通しは1.6%と、16年の1.7%から減速する見通し。ただ18年には1.8%への回復が見込まれている。

ドイツの17年の経済成長率見通しは1.6%と、16年の1.9%から低下。フランスは1.2%から1.4%に加速する一方、イタリアは0.9%で横ばいが見込まれている。

ユーロ圏経済成長率見通しの前回予想は17年が1.5%、18年が1.7%で、いずれも上方修正された。

欧州委は、上方修正の理由について「16年下半期の予想を上回るパフォーマンスと17年の好スタート」を挙げた。ただ「通常よりも高い不確実性が広がっている」との懸念を示した。

ユーロ圏の不確実性を高める一因がトランプ米大統領の動向だ。欧州委は、短期的には一連の米財政刺激策が「予想以上に世界経済を押し上げるかもしれない」とする一方、中期的には「米通商政策の変更による混乱が国際貿易の妨げになりかねない」と指摘した。

また、3月ごろとみられている英国のEU離脱交渉の開始や、ドイツ・フランスなどEU加盟国での選挙が政治的リスクになるとみられている。

英国の経済成長率は、16年の2.0%から17年に1.5%、18年に1.2%へと減速する見通し。EU離脱交渉が影響するという。

欧州委は英国について「不確実性が事業投資に悪影響を与えているほか、個人消費も収入減少を背景に鈍化が見込まれる」と指摘した。

英国の失業率は16年の4.9%から18年には5.6%へとやや増加する見通し。一方、インフレ率は急上昇し、17年に2.5%、18年に2.6%が見込まれている。

ユーロ圏の17年のインフレ率は、1.7%と16年の0.2%から大幅に上昇する見通し。前回予想は1.4%だった。欧州中央銀行(ECB)は昨年12月、17年のインフレ率を1.3%と予想した。

一方、18年には1.4%への減速が見込まれている。変動の大きな要因を除くコアインフレ率は徐々に上昇する見通し。

欧州委はECBのインフレ目標である2%にはまだ「届いていない」が、「近付いている」との見方を示した。

欧州委のドムブロフスキス副委員長は「インフレ率は低い水準から上昇しており、現在の金融刺激策が永遠に続くとはみていない」と指摘。ユーロ圏各国に構造改革を続けるよう呼び掛けた。

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