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アングル:真逆の日米ファーストレディー、共通点は「型破り」

2017年2月14日

[ワシントン 10日 ロイター] - 首脳会談にはファーストレディー外交がつきものだが、米首都ワシントンを10日視察した日本の首相夫人のかたわらには、従来とは異なり、米大統領夫人の姿はなかった。

日本大使館当局者によると、安倍晋三首相の昭恵夫人が地元の大学を訪れた際に同行したのは、米ファーストレディーのメラニア夫人ではなく、日本の駐米大使夫人だった。

昭恵夫人が過去にワシントンを訪問した際には大統領夫人が同行した。ジョージ・W・ブッシュ大統領のローラ夫人は2007年、昭恵夫人をジョージ・ワシントン初代大統領の邸宅マウントバーノンに案内した。2015年にはオバマ大統領のミシェル夫人が、昭恵夫人と共に日本語集中プログラムを設けているバージニア州北部の小学校を訪れた。

トランプ氏が大統領に就任してから3週間が経過したが、メラニア夫人のこうした「型破り」なスタイルは、同夫人が前任者たちとは異なるファーストレディーの役割を担おうとする新たな兆しかもしれない。

メラニア夫人は息子が学校を終えるまで当面はニューヨーク市で生活することを選択している。同夫人が、ワシントンを訪れる他国のファーストレディーに付き添うことも含め、ホワイトハウスの社交行事で大きな役割を果たすかどうかについてはまだ未知数である。

10日に日米首脳会談を行った安倍首相とトランプ大統領がその翌日、フロリダ州にある大統領の別荘に滞在してゴルフをする間、昭恵夫人をもてなすのはメラニア夫人の仕事となる。

夫たちが週末に日米関係において足並みをそろえようと努力するなか、メラニア夫人は日本の首相夫人が多くの点において自分とは正反対であることに気づくかもしれない。昭恵夫人は注目されることをいとわない政治家の妻であり、権力を持つ夫にも公に異を唱える。

スロベニア出身の元モデルであるメラニア夫人が、公に夫とは異なる意見を述べることはめったにない。対照的に、昭恵夫人はインタビューを通じて政権に政策提言することもあり、一部から「家庭内野党」と呼ばれている。

昭恵夫人は2014年、ロイターとのインタビューのなかで、10%への消費税引き上げの前に経済活性化に力を入れ、適切に税金が使われていない部分については、歳出の削減が必要であるとの見方を示した。

また、同夫人は昨年、ブルームバーグとのインタビューにおいて、日本の企業は男性社会で、「有能でバリバリ働いている」より「かわいらしい」女性を好む傾向にあり、女性も男性が良いと思う女性を演じる傾向にあると語っている。

こうした昭恵夫人の言動は日本国内でも異彩を放っているが、メラニア夫人とは著しい対照を成している。トランプ大統領の選挙活動にほとんど同行せず、国政にも深い関心を示さない。ダメージとなるような「暴露」が幾度かあったものの、公の場でトランプ氏に異を唱えることはまれだった。

昨年の大統領選でトランプ氏が女性に関してわいせつな会話をしていたビデオが発覚したとき、メラニア夫人は「受け入れがたく、攻撃的」との短いコメントを発表。ただし、同氏の謝罪を受け入れるとした。

こうしたスタイルの違いにより、2人の会話はたわいもないことに終始する可能性がある。

両夫人の間で「世界政治について話し合われることは全くないとみている」と、ファーストレディーの役割を研究する米スクラントン大学のジーン・ハリス教授は語る。「メラニアがそのような会話をしたがるとは思わない」という。

夫とは異なる意見を発する昭恵夫人のオープンさは、米国政治においてもほとんど見られないとハリス教授は指摘。米国のファーストレディーは裏で重要なアドバイザーを務めることはあるかもしれないが、公には夫に異を唱える傾向にはないという。

米大統領選の直後、メラニア夫人はCBSとのインタビューで、トランプ氏のツイッター攻撃について「いつも」夫を注意していると発言。「彼(トランプ氏)は耳を傾けることもあれば、そうではないときもある」とし、「自分の意見を言うが、あとは彼次第」と語っている。

(Yeganeh Torbati記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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