[東京 14日 ロイター] - 斎藤健・農林水産副大臣は14日、ロイターの取材に応じ、日米経済対話で仮に自動車分野が議論の対象になる場合は、自由貿易の国際ルールに沿い対応すべきと述べた。同時に数値目標などの要求には安易に乗るべきでないとした。仮に農業分野で米国と2国間の自由貿易協定(FTA)に入る場合、環太平洋連携協定(TPP)と比較して日本側メリットが小さいため、ゼロベースでの交渉になるとの見通しを示した。

斎藤副大臣は1990年代、通商産業省(現経済産業省)で日米自動車交渉を担当。当時の経緯について現日銀総裁の黒田東彦氏らとの共著がある。当時は、米国から日本の自動車メーカーに対して米国製部品の採用をめぐり数値目標の導入を求められ、厳しい交渉が展開された。

当時と比べ、現在は「日本メーカーの米国現地生産の比重が高く、日本からの輸出も減少している」と指摘。日本の自動車市場では「欧州車はシェアを拡大しているが、米国車は20年前と変わらない。世界で一番開放的なシンガポール市場でも、国車でなく日欧メーカー車が走っている」とし、米メーカー側の努力不足に起因するとみる。

斎藤氏は「日米間にはエネルギーやリニアモーターカーなど協力できる分野が多数ある」とし、自動車をめぐり「激しい交渉となる可能性は小さい」とみている。

しかし、仮に米側から厳しい要求が出されても「輸出の自主規制や、数値目標などは資本主義・自由主義の否定。原理原則で対応すればよい」と強調した。

現在、担当している農業分野では、米国の牛肉や豚肉の生産者団体が7日、対日輸出拡大を狙い、日米でのFTA締結を要求した。TPP離脱を表明した米国が、FTAを求めてきた場合の対応について「TPPに代わるものとしてのFTAは、受け入れられない」と原則を主張した。

そのうえで、多数の国の市場へのアクセスを改善にするTPPと異なり、2国間交渉では、日本農業のメリットが小さくなるため「交渉はゼロベースからやり直しとなる」との見解を示した。

また、TPP交渉で決まった豚肉・牛肉の関税引き下げを議論の前提することはないとの見解を強調した。

(竹本能文、編集:田巻一彦)