キーワードは
「最大ピーク時電力」

 私たちにとって最初に必要なのは、電力使用状況の現状を正しく把握することだ。

 なかでも最も重要なのが1日の中でもっとも電気が使われる時間帯、つまり「電力需要がピークになる時間帯」をきちんと認識することが求められる。

 冬場の電力需要のピークは8、9時と18、19時頃だが、夏場はこれとはまったく異なる。 9時頃から電力需要が高まり、最大ピークを迎えるのは13~15時頃。そしてそれ以降は 18時くらいまで高めの需要が続く、というのが夏の標準的な傾向だ。

 整理すると次のとおり。大事なことなので、覚えていただきたい。

<電力需要のピーク>

【冬】午前8、9時と午後18、19時の2回。ピークの波はゆるやか。ピークは分散
【夏】
最大ピークは13~15時で最大需要が大きく、朝~18時くらいまで。ピークが長い

需要が供給を上回ってしまうと、
停電せざるを得ない

 東京電力のホームページで閲覧できる、当日の東京電力管内における『電力の使用状況グラフ』には、その日のピーク時とピーク時の電力供給力が表示されている。

 リンク先のグラフで言えば、本日のピーク時(18時頃)供給電力は3850万キロワットとなっていて、これを上回る電力需要が一瞬でも発生したときには、大規模停電を防ぐための計画停電を実施せざるを得なくなるわけだ。

 電力というのは原則、水やガスのように貯めておけないため、今使う電力は今発電して送らなければならない。余裕のある時間帯に発電した電気を貯蓄しておいてピーク時に回すということはできないのである。このことはメディアでも何回も言われているが、一方で「節電節電」と叫ばれ過ぎているおかげで、お金のように「節約」して貯めておけると勘違いする人もいまだにいる。

 そう考えると、計画停電回避のもっとも重要なポイントは、いかにしてピーク時の電力需要を下げられるかということになる。