世界の企業時価総額ランキング

 しかし、一番儲けているのはプラットフォームを提供しているグーグルとアップルだろう。何もしなくてもコミッション(手数料)がどんどん入ってくる。両社の収穫逓増モデルはゲーム会社の上を行く。まったく止まらない。

 ちなみに、世界の企業時価総額ランキング(2016年9月末)のベスト10(180合同会社調べ)は、次の通りだ。

IT企業が儲かるメカニズムを<br />経済学的に説明してみた

 時価総額は、「発行株式数×株価」で計算される。企業の価値を端的に表した数字だ。アップルの時価総額は6091.6億ドル、日本円に換算すると約63兆円だ。アルファベット(グーグル)は5434.1億ドル(約56 兆円)、マイクロソフト4487.7億ドル(約46兆円)である。1~6位まで並ぶアメリカのデジタル収穫逓増企業に対して、10位のアリババは中国のネット企業だ。ついにベスト10に中国企業が入ってきた。日本企業は、50位以内では31位にトヨタ自動車が1762.8億ドル(約18兆円)で1社だけ入っているにすぎない。

 このように今、収穫逓増モデルの企業が世界を席巻している。こうした状況を理解するために、経済学の知識は必要不可欠だ。拙著『会社に入る前に知っておきたい これだけ経済学』では、ビジネスパーソンとして最小限知っておくべき30の知識をまとめた。新社会人や経済学を学んでこなかった社会人には、ぜひ参考にしてほしい。