ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

中国コスト高で利するイタリア、繊維需要が欧州回帰

ロイター
2017年2月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
2月14日、世界の繊維製品取引で、買い手側が仕入れ先を中国から欧州のサプライヤーに切り替える動きが増えつつある。伊トレグノの繊維メーカーで昨年12月撮影(2017年 ロイター/Giulia Segreti)

[香港/ビエッラ(イタリア) 14日 ロイター] - 世界の繊維製品取引で、買い手側が仕入れ先を中国から欧州のサプライヤーに切り替える動きが増えつつある。中国製品の生産コストが賃金やエネルギー価格上昇に伴って割高化していることが背景だ。

 イタリア羊毛産業の中心地で北部ピエモンテ州にある都市ビエッラでは、中国製品との価格差縮小や買い手との地理的な近さがもたらす優位性によって高級衣料を扱う顧客を奪い返せるようになった、と工場経営者たちが口ぐちに話している。

 その経営者の1人であるアレッサンドロ・バーベリス・カノニコ氏は、ある有名な欧州の顧客が最近同氏に対して何度も電話をかけてきて、コスト上昇や品質へのこだわりが高まっている状況のために中国製品の買い付けを断念し、多様な品ぞろえを実現する上でぜひともビエッラの力が必要だと訴えた、と打ち明けた。

 カノニコ氏によると、この欧州の顧客は海外の仕入れに活路を求めたが結局うまくゆかず、イタリアに戻ってきたという。

 中国が依然として繊維産業で世界の首位に立っているのは間違いない。中国国家統計局や業界団体などのデータによると、繊維産業の雇用は460万人を超え、国内総生産(GDP)の10分の1を生み出し、衣料品を含めた輸出額は2015年で2840億ドルに上った。

 しかし賃金は経済成長率を上回るペースで上昇し、もはやコスト面だけで十分競争できる水準ではない。

 同時に中国の繊維産業は、綿花や羊毛といった原材料輸入に高い関税を支払い、環境基準達成のための費用も負担しなければならなくなっている。

 中国政府が昨年9月に発表した繊維産業の5ヵ年計画でも、コスト上昇が国際競争力を弱め、技術力がより高いイタリアなどの先進国勢と、中国より賃金が低い新興国勢の挟み撃ちに見舞われている、と認めた。

次のページ>> 品質重視も後押し
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


ロイター発 World&Business

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 World&Business」

⇒バックナンバー一覧