2月13日、トランプ政権の入国禁止令について、米ワシントン州のファーガソン司法長官は「真の動機」を究明すると約束、米大統領による国家安全保障上の決定を巡る、前代未聞の公開調査に発展する可能性が出てきた。写真は同政権の移民政策に抗議する人たち。NY市で11日撮影(2017年 ロイター/Stephanie Keith)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - イスラム圏7ヵ国からの入国禁止を定めたトランプ政権の大統領令について、米西部ワシントン州のファーガソン司法長官は「真の動機」を究明すると約束した。米大統領による国家安全保障上の決定を巡る、前代未聞の公開調査に発展する可能性が出てきた。

 大統領令を違憲としてワシントン州などが起こした訴訟で、サンフランシスコ連邦高裁は9日、一審の連邦地裁が出した大統領令の一時差し止め命令を支持する決定を下した。

 連邦高裁はこの中で、「政府の行動が差別的な目的に動機付けられたものかどうかを見定めるため、政策決定者の発言を含む、政策意図についての状況証拠を考慮してよい」とした過去の判例を引用した。

 トランプ政権は大統領令について、潜在的なテロリストの入国を防ぐのが目的であり、特定の宗教に言及していないため差別的ではないと反論している。

 ファーガソン司法長官は12日、大統領令が憲法に反してイスラム教を差別している証拠を示す、政権幹部らの文書や電子メールの入手に力を入れると表明し、幹部らに証言を求める意向も示した。

 裁判所は未知の領域に踏み込むことになるかもしれない。

 ジョージ・W・ブッシュ元政権下で司法省の弁護士を務めたジョン・ユー氏は「動機を探るという考え方が、大統領に適用された前例は無い。大統領と行政機関全体の行動に対する司法の監視を、著しく拡大することになる」と言う。ユー氏は現在、カリフォルニア大バークレー校の教授。

選挙期間中の発言

 米国の裁判所は伝統的に、法律の背後にある動機の調査には慎重だった。ただし人種および宗教上の差別については、時として意図の調査を認めた例がある。

 例えば1993年、最高裁は、動物を生贄にすることを禁じたフロリダ州ハイアリアの法令について、表面上は中立的だが、実際には生贄の儀式を行うサンテリア教会に対する差別を意図しているとの判断を下した。