会計の入門書を読むと、当たり前のようにPLやBSの表の構造から説明が始まりますが、そもそもPLやBSといった表はなぜ必要なのでしょうか。企業の活動を表すのに収支計算書だけではダメなのでしょうか。こういった「そもそも論」が理解できていないことが会計の本質的な理解を妨げている原因のように思えます。

③収支計算書を使ってPLとBSを理解すればよい
  PLとBSとCS(キャッシュフロー計算書)のことを財務3表と呼びますが、実はCSは現金の出入りを表す収支計算書の一種です。私たちが子供の頃から見てきたお小遣い帳や家計簿は収支計算書ですから、収支計算書のことはだれでも知っています。だれもが知っている収支計算書を使ってPLとBSを説明すれば会計は簡単に理解できます。

 実は今回このコラムで紹介する新しい会計勉強法のポイントはここにあります。すなわち、皆がよく知っている収支計算書を使ってPLとBSを理解するというのが今回紹介する新しい会計勉強法の特徴です。

④現金の動きの伴わない取引さえわかれば会計は理解できる
  私たちは子供の頃からお金の単位がついた表としては収支計算書しか見たことがありません。PLやBSに出てくる数字も通貨単位である「円」で表示されていますから、ついついPLやBSの数字を現金の動きのように思ってしまいます。

  しかし、PLやBSは現金の動きをあらわす表ではありません。もっと言えば、収支計算書とPL・BSの大きな違いは、PLやBSが現金の動きのない取引を表すことです。現金の動きを表す収支計算書しか見たことがない人は、この現金の動きのない取引を理解するのに苦しみます。逆にいえば、現金の動きのない取引さえわかれば会計は理解できます。