日本各地の特産品・名産品を
世界レベルで紹介・販売

 そのマッチングワールドが現在力を入れているのは、「M−マッチングシステム」のプラットフォームを応用して、インバウンド旅行者向けの情報発信と日本各地にある特産品・名産品を販売する新しいシステムの構築である。
 具体的には、「トリップナビゲーター」というインバウンド向けの旅行情報サイトを運営し、英語と中国語に翻訳された情報を、主に海外の旅行代理店向けに発信する。ただし、単なる旅行情報発信サイトではなく、例えば「祭り」をテーマに半年・一年先のスケジュールで選べたり、観光地の「風景」「露天風呂」などの写真で選べるなど、海外の旅行代理店がツアーをつくるのに役立つ仕組みになっている。そして、その最終目的は日本各地の特産品・名産品を売りたい業者と購入したい業者や個人を、同社のプラットフォームで結び付けることにある。

 「今インバウンドの旅行者は、有名な観光地から、地方の観光地へと目を向け始めています。しかし地方の観光情報を、インバウンド向けに紹介するサイトは、まだほとんどありません。当社では、地方における観光やグルメ、宿泊やイベント、物販などの情報を提供する“トリップナビゲーター”というサイトを運営し、インバウンド旅行者に知られていない日本の新しい旅や、全国の名産品を紹介します。その情報を得て、現地を訪れて購入するのもいいし、サイトを通して名産品を購入するのでもいい。言うなれば、日本の優れた伝統工芸品などの潜在商品を、海外の買いたい人たちに販売するシステムなのです」

 そう説明するのは、開発を担当する同社越境EC事業部の鈴木隆則プロデューサーである。

海外販売未経験の企業を
決済から輸出まで代行支援

インバウンドのための情報発信サイト"トリップナビゲーター"を手掛ける越境EC事業部。右から鈴木隆則プロデューサー、野中英昭統括マネージャー、近藤広充トリップナビゲーター運営ディレクター

 トリップナビゲーターには、地方の自治体や企業が、入力専用フォーマットに売りたい商品の情報を直接書き込み、写真や動画を掲載することができる。その内容を同社が翻訳し、インバウンド旅行者に提供していく。

 物販については、「M−マッチングシステム」と同様に、全ての商品は一度同社に納入され、同社で仕分け検品を行った後に、同社から購入者へ発送される。代金決済も全て同社との間で行われるため、地方の業者にとっては、海外との交渉や対応、発送など、煩わしい手間が省かれることになる。

 マッチングワールドでは現在、旅行業界紙の大手である旅行新聞新社と提携して、トリップナビゲーターの製作を行い、4月からのサイトオープンを目指している。

 町田社長は、「当社の事業の目標は、“M−マッチングシステム”を軸に、潜在商品の流動化を促進するインフラを創造することで、さまざまな業界の活性化に寄与していくことです。今回の“トリップナビゲーター”も、その試みの一つで、インバウンドを利用した流動化の促進で、地方創生にも貢献したいと考えています」と抱負を語る。

問い合わせ先
マッチングワールド株式会社
ホームページアドレス:http://www.m-matching.com/company_info/