2月17日、ECBのマイナス金利政策により、昨年は欧州の大手銀行の収益が前年にも増して大きく圧迫されたが、現在は米金利上昇が欧州にも波及し、収益への影響は間もなく最悪期を脱するとの期待が広がっている。パリ近郊のビジネス街で1月撮影(2017年 ロイター/Christian Hartmann)

[フランクフルト/パリ 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のマイナス金利政策により、昨年は欧州の大手銀行の収益が前年にも増して大きく圧迫された。しかし現在、米国の金利上昇が欧州にも波及し、収益への影響は間もなく最悪期を脱するとの期待が広がっている。

 マイナス金利は景気浮揚を狙った政策だが、市中銀行が中央銀行に預ける預金に手数料を課す形になるため、体力の弱った欧州銀には重い負荷がかかる。

 欧州大手行20行を対象にロイターが2月半ばに実施した調査によると、純金利収入が減少した銀行は2015年が7行だったのに対し、16年は12行に増えた。減少率も15年の平均5%から16年は7%超に広がった。

 16年はクレディ・スイスの純金利収入が約19%減少、ドイツのコメルツバンクは13%、ドイツ銀行は8%、イタリアのウニクレディトは6%、スイスのバンキアは20%、それぞれ減少した。

利上げ期待

 ただ、今年は米国で追加利上げが予想されており、銀行幹部らは最終的にECBの金融政策にも波及するとみている。

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のチャールズ・グッドハート氏は「通常、先陣を切るのは米国だ。トランプ米大統領が拡張的な財政政策を実行に移せれば、金利が上がるだろう」と述べ、欧州にも影響が及ぶとの見方を示した。

 BNPパリバの場合、低金利によって2013年から16年に失われた収入は10億ユーロに上る。ラール・マシュニル最高財務責任者(CFO)は「金利の低下は収入に悪影響を及ぼした。それが転換すれば(失われた分と)近いものが戻ってくるだろうが、時間はかかりそうだ」と話した。

預金を削減

 銀行がマイナス金利政策による収益への悪影響を回避する手段としては、預金者にコストを転嫁する方法と、預金受け入れ額を低く抑えて貸し出しを増やす方法がある。

 今のところ、スイスのオルタナティブ・バンク・スイスが預金者に手数料を課している。またスウェーデンの銀行は概して預金水準が低いため低金利政策の影響を受けにくく、スウェドバンクの純金利収入は約3%増加した。

 一方、コメルツバンクは企業顧客からの預金受け入れを約220億ユーロ減らす戦略に出たが、昨年はマイナス金利の影響で収入が2億ユーロ以上圧迫された。

 それでも独保険大手アリアンツのチーフエコノミスト、ミヒャエル・ハイゼ氏は「金利環境はついに変化する希望が見えている。政策担当者の姿勢が変わったのは明らかで、来年は金利が上がる可能性があると思う」と明るい見通しを示した。

(John O'Donnell記者 Maya Nikolaeva記者)