2月18日、ドナルド・トランプ氏の米大統領就任から波乱の1ヵ月が過ぎようとする中、トランプ政権の主要閣僚が最近、欧州に広がる対米懸念を払拭しようと、ブリュッセルやボン、ミュンヘンを訪問した。写真はペンス副大統領。独ミュンヘンで17日撮影(2017年 ロイター/Michaela Rehle)

[ミュンヘン 18日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏の米大統領就任から波乱の1ヵ月が過ぎようとする中、トランプ政権の主要閣僚が最近、欧州に広がる対米懸念を払拭しようと、ブリュッセルやボン、ミュンヘンを訪問した。しかし、彼らの目標が、米国の基本外交方針に変更がないと訴えることだったとすれば不十分だったとの声が、ミュンヘンの欧州の外交関係者や政治家、アナリストからは上がっている。

 訪欧したマティス国防長官は、北大西洋条約機構(NATO)が「時代遅れ」などということは全くないと強調。トランプ大統領が繰り返してきた言い回しを真っ向から否定した。ペンス副大統領は、ウクライナ問題でロシアに「責任を負わせる」と発言したが、トランプ氏はロシアのプーチン大統領に秋波を送っている。

 ドイツ連邦議会の外交委員長を務めたルプレヒト・ポレンツ氏はペンス氏のミュンヘンでの講演後、ロイターに対し「安心できるような発言ではない。今後、われわれがいかに連携していくのかに関し、ビジョンをまったく示さなかった」と述べた。

 米大統領補佐官(国家安全保障担当)だったマイケル・フリン氏辞任の経緯に絡み、ペンス氏は政権の中枢(インナーサークル)メンバーではないとの見方が浮上したことも、同氏には不利な要素だ。

 ペンス氏は、こうした不信感に正面から向き会おうと、講演の冒頭で自分はトランプ大統領の代わりにしゃべっているのだと強調した。しかし、たった20分の講演の間に19回も「大統領」という言葉を発し、講演参加者の1人で作家・歴史家のロバート・ケーガン氏は「権力者にロボットのように敬意を表している」と切り捨てた。

 欧州議会外交委員長のエルマー・ブロク氏は「ペンス氏やマティス氏、ティラーソン国務長官がここへやって来て、NATOなどの重要性を論じるのは結構なことだ。しかし明日の朝(トランプ大統領が)ツイッターにどんな書き込みをするのか、分かったものではない」と冷ややかに話す。