2月21日、東芝は、主力事業の柱に位置付けていたNAND事業の株式過半以上の売却に向けた作業を本格化している。事業の切り売りで得た資金を財務基盤の拡充に充てる苦肉の策だ。写真は川崎市で13日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] - 東芝は、主力事業の柱に位置付けていたNAND事業の株式過半以上の売却に向けた作業を本格化している。事業の切り売りで得た資金を財務基盤の拡充に充てる苦肉の策だ。将来の成長機会を失うとの懸念も出るが、取引銀行からは縮小均衡でしか生き残れないとの厳しい指摘も出る。事業構造の抜本的な組み直しで生き残りを模索することになる。

NAND株売却、1兆円超確保の狙い

 複数の関係者によると、東芝はNAND事業の分社化に伴う株式売却に向けて、売却する株式の割合や上限、従業員の雇用など、入札条件の詰めの作業に入っている。今月中には、入札条件を応札企業に提示する見通しだ。発行済み株式の20%未満の売却条件で実施した1次入札を全面的に仕切り直すことになる。

 綱川智社長は14日の記者会見で、株式売却の規模を50%以上、場合によっては全株式もありうるとの見解を表明した。当初は、20%未満の売却により、NAND事業の主導権はあくまで確保する考えだったが、7000億円超の米原子力事業の損失計上で断念した。東芝幹部は「経営の主導権にも、こだわっていられない」と苦しい胸の内を明かす。

 東芝はNAND事業の事業価値を1.5兆円と見込んでおり、過半以上の売却で1兆円超の資金確保を狙う。

主力行が懸念する追加減損リスク

 NAND事業の過半売却を迫ったのは、三井住友銀行やみずほ銀行など主力取引銀行だ。決算発表を翌週に控えた9日、三井住友銀の東芝担当専務が同社に足を運び、20%未満の売却にこだわる東芝経営陣に「より高い価格で売るために過半以上の売却を検討するように申し入れた」(関係者)という。