清水サイドが仕掛ける
情報戦の“戦略的ワード”

 いやいや、いくら反論ができるからって、事務所社長の悪口や、仕事への恨みごとばかりじゃあ、「情報戦」もへったくれもないだろという声が聞こえてきそうだが、そんなことはない。

 清水さん側が仕掛ける「情報戦」からは、金銭的なダメージを極力抑え、清水さんのタレント的価値も損なわないようにという、一貫とした「出口戦略」が感じられる。その象徴が、今回の騒動が持ち上がった際、幸福の科学グループ専務理事・広報担当の里村英一氏が会見で述べたこの言葉だ。

「はっきり言って、芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係があったのが大きな点だと思っている」

「奴隷契約」といえば、韓国芸能界における東方神起の活動休止騒動や、「枕営業」を強要された女優やアイドルが自殺した際などにもメディアを賑わした表現だが、実は日本でもある大物タレントの独立騒動で注目を集めている。

 安室奈美恵さんである。覚えている方も多いだろうが、今から2年ほど前にこんな「文春砲」が世を騒がせた。

 《独占スクープ 安室奈美恵 「これでは奴隷契約です」育ての親ライジング平哲夫社長から独立へ : “後見役”18歳上「音楽プロモーター」とのただならぬ関係》(2014年8月14日号)

 読んで字の如くの内容だが、その後、この独立劇は見事成功する。安室さんは個人事務所「stella88」を設立、所属レコード会社はエイベックスという座組みで活動を継続することを、「話し合い」でライジング側に認めてもらうのだ。

 先ほど申し上げたように、ほとんどの芸能人が一定期間干されるなどの「代償」を払うのが通例。なぜ安室さんはこうもスムーズだったのか。かつて、人気絶頂時に独立をめぐって事務所と法廷闘争を繰り広げた鈴木亜美さんが、勝訴した後も芸能界から姿を消していたことからわかるように、独立を果たしても「腫れ物」扱いされることも多いなか、安室さんはそういう目にも遭っていない。

 いろいろな見立てがあるだろうが、個人的には安室さんが口にしたという「奴隷契約」という戦略的ワードの影響も無関係ではないと思っている。