世論の風は
清水サイドに吹いている

 幸福の科学は、完全に「レプロ=奴隷契約の温床」という構図にポイントを絞って攻勢に出ているのだ。

 主張していることが事実かどうかはさておき、これは戦略的には非常にクレバーである。先ほど安室さんのケースで申し上げたような事務所側の「譲歩」を引き出すこともできるし、今後発生する「降板による違約金」をめぐる法廷闘争でも、清水さん側の「望まぬ仕事をさせられ、死を覚悟するほど心身が疲弊していた」という主張を補強できる。

 世論を捉えるという方向性も間違っていない。

 多くの人が指摘しているように、電通社員の自殺に象徴される過労死は、マスコミが大騒ぎをしなかっただけで、ずいぶん前から存在していた。しかし、この時代ではSNSにメッセージが残っていたということもあって、社会的にも大きな問題となり、安倍首相が遺族と面会して、長時間労働の是正を約束するほどの「イシュー」となっている。

 SMAP解散のモヤモヤ、「洗脳」認定された能年玲奈さんに対するモヤモヤ、など芸能ビジネスに対する一般人の不信感もピークに達している。ワイドショーの出演者たちや、芸能人は清水さんのやり方に眉をひそめるが、世論の「風」は、完全に清水さん側に吹いているのだ。

 あとは、幸福の科学がこの「風」をどう生かすかだろうが、現時点ではかなりフットワークの軽い動きを見せている。

 17日、幸福の科学出版が発行する月刊誌「The Liberty」のウェブサイトは、「芸能人の労働環境を糺す会」という団体が発足したと報じた。弁護士が会長を務めるこの団体では、芸能人の雇用契約の内容や労働環境の改善について、東京労働局に「芸能人の労働環境の是正を求める請願」を提出している。

「ブラック企業」を摘発している弁護士や市民団体のように、清水さんのような主張をする「被害者」を募ることができれば、大きなうねりをつくることができるかもしれない。