2月22日、北朝鮮の国家指導者である金正恩氏の異母兄、金正男氏が殺害された事件で逮捕された北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者(写真右)はマレーシアで3年以上暮らしていたが、就労ビザに登録された企業での勤務実態はなく、給与も受け取っていなかった。写真は18日、警察に連行される同容疑者。マレーシアのセパンで撮影。News1提供(2017年 ロイター)

[クアラルンプール 22日 ロイター] - 北朝鮮の国家指導者である金正恩氏の異母兄、金正男氏が殺害された事件で逮捕された北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル容疑者はマレーシアで3年以上暮らしていたが、就労ビザに登録された企業での勤務実態はなく、給与も受け取っていなかった。

 47歳のリ容疑者が所有していたマレーシア発行の就労ビザによれば、トンボ・エンタープライズの従業員とされている。だが、漢方薬を扱うこの小さな会社のオーナーは、リ容疑者が同社で働いたことは1日もなく、給与も受けていなかったと語った。

 チョン・アーコウ氏によれば、リ容疑者が同社のIT部門に勤務する製品開発担当マネジャーであり、月5500リンギット(約14万円)の給与を得ていると書類上で申告することにより、容疑者の就労ビザ取得を助けたという。同氏によれば、就労ビザは2016年6月に1回更新されている。

「単に形式だけだ。書類だけで、彼に給料を払ったことはない」とマレーシア国籍を持つチョン氏はインタビューで語った。「彼がこの国でどうやって生計を立てていたのかは知らない。どうやって稼いでいたのかも分からない」

 北朝鮮を頻繁に訪れているチョン氏は、単にリ容疑者を「助けようと」しただけだと言う。彼は警察の尋問を受けたが、政府に虚偽の情報を提出したことにより、どんな結果が生じようと受け入れるつもりだ、とロイターに語った。

 リ容疑者と交友を続けていたチョン氏によれば、同容疑者は妻と2人の子どもと一緒にクアラルンプールで暮らしていたという。

 リ容疑者が他にどこかで雇用されていたのか、収入源があったのかをロイターは確認できなかった。また同容疑者がマレーシアでどうやって家族を養っていたのか、警察に問い合わせたがコメントは得られなかった。」