サプライチェーンを網羅し、
機能を生かした提案力で多様なニーズに応える 

 鉄鋼事業のサプライチェーンは、製鉄に必要な鉄鉱石や石炭などの原料、製鉄設備およびその部材である資機材の調達から、鉄鋼製品の販売、さらには、顧客ニーズに合った製品への加工・販売のプロセスなどによって構成される。

 一般には、こうしたプロセスに全て関与する専門商社は非常に少ない。JFE商事は川上の原材料から川下の製品まで、鉄鋼事業サプライチェーンの全てを網羅し、鉄に関する製品作りや国内外のマーケット情報など、あらゆる側面でさまざまなニーズに応えられるのが大きな強みだ(上の図)。

 同社が提供するのは、厚板や薄板、鋼管といった鋼材のトレード機能だけにとどまらない。例えば、電気自動車(EV)などのモーターコア(モーターの中核部品)や大型船舶のブロック一貫製造などを自社で手掛けて取引先の主要工程を請け負い、取引先の効率化はもちろん、製品の品質向上にも大きく貢献している。

 モーターコアについては、もともと鋼材をスリット加工(幅広の材料を一定幅で連続切断し巻き取る加工)して納入していたが、顧客のニーズをキャッチして、さらなる川下の製品を提案したことから、プレス加工品の製造までを請け負うことになったという。